備品の紛失・盗難対策を解説
アストロラボ株式会社

会社では、パソコンやスマートフォン、USBメモリなど、たくさんの「備品」が使われています。これらは業務に欠かせない大切なツールですが、「どこにいったかわからない」「返却されていない」といった紛失や盗難のトラブルが、年々増えているのをご存じでしょうか。
特に、テレワークの普及やオフィスのフリーアドレス化によって、備品を一時的に社員に貸し出す機会が増えています。ところが、誰が何をいつ借りたのか、きちんと記録していないと、「あの備品は今どこ?」「返ってきてないけど、誰が持ってるの?」というような問題が起こりやすくなります。
このコラムでは、そうした備品の紛失や盗難を防ぐために、総務部門としてどんな対策ができるのかを、わかりやすく解説していきます。
「そろそろ管理方法を見直したい」「効率よく備品を管理したい」と感じている方は、ぜひ参考にしてください。
備品の紛失・盗難問題とは
オフィスで使われるパソコンやマウス、モニター、USBメモリ、スマートフォンなど、私たちの業務には多くの備品が必要です。
これらの備品が、ある日突然「どこにあるのかわからない」「返却されていない」となると、困るのは管理を任されている総務部門です。
近年ではテレワークの浸透やオフィスのフリーアドレス化が進んだことで、備品が個人に一時的に貸与される場面が増えています。これに伴い、返却されないまま持ち帰られたり、行方不明になる備品が増加しているという声も多く聞かれます。
企業にとって備品は小さなものでも「資産」です。無くなれば再購入が必要になり、会社のコストが増加します。さらに、個人情報が入った記録メディアやスマートフォンが紛失すると、情報漏洩などの重大なトラブルにつながりかねません。
備品の紛失や盗難は、ただの「モノがなくなる」問題ではなく、会社の信頼や運営にも関わる大きなリスクなのです。
なぜ備品の紛失・盗難が起きるのか?
備品の紛失や盗難が起きる背景には、いくつかの共通する原因があります。
ここでは主な要因を3つ挙げてみましょう。
① 貸出・返却の記録が曖昧
「誰が、いつ、何を借りたのか」を正確に記録していないと、備品の所在が不明になります。
たとえば、口頭でのやり取りや紙のメモだけで管理していると、紛失時の追跡が困難になります。
② 貸出ルールが定まっていない
「とりあえず必要な人が自由に使っていい」という曖昧な運用では、返却の意識が希薄になります。
「返さなくても問題ない」「また使うから持っていていいだろう」といった気の緩みから、紛失や未返却が生まれます。
③ 返却を忘れがちになる
備品は業務に必要なものなので、長期にわたって利用されることもあります。
しかし、そのまま忘れられてしまうと、実質的な「借りパク(=借りたまま返却しない)」になってしまいます。
管理者が気づくのが遅れると、行方不明になる確率も上がります。
Excelでは限界?従来の備品管理の課題
現在、多くの企業や組織では、備品の管理にMicrosoft Excel(エクセル)などの表計算ソフトを使っています。たとえば「備品一覧表」や「貸出記録シート」などを自作し、総務部門が管理しているケースが一般的です。
エクセルは使い慣れていて操作しやすく、ソフトの導入費用もかからないため、はじめのうちは「これで十分」と感じられるかもしれません。しかし、運用を続けていくうちに、いくつもの “ 見えづらい問題 ” が積み重なっていきます。
ここでは、エクセルでの備品管理にありがちな3つの課題を、実際の業務に即して詳しく解説します。
管理作業が手間で非効率になりやすい
エクセルでは、備品の貸出や返却のたびに、記録を手作業で更新する必要があります。
たとえば、
・備品を貸し出すときは「社員名」「貸出日」「備品名」などを入力
・返却されたら「返却日」を追記し、在庫の状況を修正
といった作業が発生します。
これは、貸出件数が少ないうちは対応できますが、人数や備品の種類が増えてくると、入力・更新作業だけで膨大な手間がかかります。
さらに、手作業ゆえに「入力ミス」や「記録漏れ」も起こりやすくなります。
例えば、貸出を受けた社員が名前を記載し忘れたり、返却された備品がシートに反映されていなかったりすると、実際の在庫とエクセル上のデータにズレが生まれます。
このようなズレが蓄積すると、備品が「あるはずなのにない」「誰が持っているのかわからない」というトラブルに発展してしまうのです。
情報の共有・可視化が難しく、現場に混乱を招く
もうひとつの課題は、エクセルでは「情報の共有や可視化」がスムーズにできない点です。
たとえば、総務だけが管理しているファイルをローカルPCで更新している場合、他部署の人がリアルタイムで情報を見ることはできません。
そのため、次のようなことが起こりがちです。
・「この備品、誰かが借りてるの?」「在庫は今いくつ残ってるの?」と問い合わせが頻発
・ファイルが複数のバージョンに分かれ、最新の記録がどれかわからなくなる
・離れた拠点や在宅勤務の社員が、備品の状況を確認できない
さらに、印刷して紙で運用している場合は、常に最新の情報が反映されていないため、使い回しやダブルブッキング(同じ備品を複数人が予約)といったトラブルにもつながります。
エクセルはあくまで「表計算ツール」であって、在庫管理や貸出管理に特化したシステムではありません。
そのため、情報の一元管理やリアルタイムの可視化という面ではどうしても限界があります。
アラートや自動通知の仕組みがなく、対応が後手に回る
また、エクセルには「返却期限が近づいたら自動で通知する」「期限を過ぎたら管理者にアラートを出す」といった機能がありません。
そのため、
・備品の返却期限を管理者が逐一確認しなければならない
・返却を忘れても本人に通知されないため、長期間そのままになる
・紛失や未返却に気づくのが遅れ、追跡が困難になる
というように、問題の発見と対応がすべて「後手」に回ってしまいます。
たとえば、ノートパソコンを貸し出したまま数か月が経ち、「誰が使っていたのか」「返却されたかどうか」も不明という事態は、珍しい話ではありません。
こうしたケースでは、備品が本当に紛失したのか、どこかの引き出しにしまわれているだけなのかすら分からず、調査にも多くの時間がかかります。
本来であれば、こうした問題は自動的なリマインダー通知や貸出履歴の定期チェックによって早期に対応できるはずです。
しかし、エクセルではそれができず、結果的に管理の精度も低下してしまうのです。
備品管理システムとは
備品の紛失や盗難を防ぎ、正確に在庫を把握するためには、属人的な手作業による管理には限界があります。
そこで近年、多くの企業で注目されているのが「備品管理システム」です。
備品管理システムは、パソコンやスマートフォンなどのIT機器はもちろん、机や椅子、測定機器、制服など、さまざまな備品の「所在」「状態」「使用履歴」「貸出状況」などを一元的管理できます。
備品管理を “ 見える化 ” するツール
従来のExcel管理では、情報の更新や共有に時間がかかる、履歴の追跡が困難などの課題がありました。
備品管理システムを導入すると、そうした課題が大幅に解消されます。
たとえば、備品の登録から貸出・返却、在庫管理、メンテナンス状況の記録まで、すべての情報をリアルタイムで確認することができるため、「誰が、いつ、どの備品を、どのように使ったのか」がひと目でわかるようになります。
また、システム上で自動通知やアラートを設定することで、返却忘れや不正使用も防止しやすくなります。結果として、備品の紛失リスクを最小限に抑えることができるのです。
備品管理システムの主な機能一覧
機能カテゴリ | 機能の内容 |
---|---|
備品台帳管理 | 備品ごとに「名称」「型番」「購入日」「設置場所」などの基本情報を登録・編集できる |
貸出・返却管理 | 社員ごとの貸出状況を記録し、返却予定日や過去の履歴を自動で保存 |
在庫管理 | 備品の現在の数量や配置場所をリアルタイムで把握 |
アラート・リマインド | 返却期限が近づいた際に、自動で本人や管理者へ通知 |
利用履歴の確認 | いつ誰がどの備品を使用したか、履歴を時系列で表示 |
棚卸し機能 | スマホやタブレットでQRコードを読み取って効率的に棚卸し |
修理・メンテ管理 | 故障・不具合の報告、修理中ステータスの記録、対応履歴の管理 |
権限設定・ログ管理 | 閲覧・編集できるユーザーを制限し、不正な操作や改ざんを防止 |
導入によって得られる効果
備品管理システムを導入することで、総務部門や現場担当者の負担を大幅に軽減できます。
たとえば、次のような効果が期待できます。
・備品の所在がすぐにわかるため、紛失リスクや捜索の無駄な時間を削減
・貸出・返却の手続きが明確化されることで、責任の所在が明らかになる
・棚卸し作業が効率化されるため、年1回の大規模棚卸しが短時間で完了する
・資産の有効活用が進み、重複購入や無駄な在庫が減る
・コンプライアンス対応や監査にも有効な記録が残る
とくに、社員の出入りが多い企業や、備品の種類・数が多い職場では、手動での管理から脱却し、こうしたシステムを活用することで、精度・スピード・透明性のある備品管理が実現できます。
Excel管理と備品管理システムの比較表
項目 | Excelによる管理 | 備品管理システムによる管理 |
---|---|---|
初期導入のしやすさ | ◎ 無料で使える/すぐに始められる | △ 導入準備や初期設定が必要 |
操作の自由度 | ◎ 自由にレイアウトや関数を組める | ○ 専用の入力画面・設定項目に沿って操作 |
更新・記録の手間 | × 手作業で入力/更新ミス・漏れが起こりやすい | ◎ 自動記録・変更履歴も保存される |
情報のリアルタイム性 | × ファイル共有が難しく、最新版がわかりにくい | ◎ クラウドで即時共有/複数人で同時管理が可能 |
貸出・返却管理 | △ フォーマットを自作する必要あり/通知機能なし | ◎ 貸出履歴・返却予定・アラートを自動で管理 |
棚卸し作業の効率 | × 目視と手入力が中心/確認に時間がかかる | ◎ スマホやQRで簡単チェック/進捗も可視化 |
情報の検索性 | △ フィルターや検索に手間がかかる | ◎ キーワード検索・条件絞り込みで瞬時に表示 |
セキュリティ・改ざん防止 | × 編集履歴が残らない/パスワード管理に不安あり | ◎ アクセス制限・ログ管理で情報の安全性が高い |
拡張性・将来性 | × 管理対象が増えると複雑化/限界がある | ◎ 拠点・備品数が増えても柔軟に対応 |
総務部門が押さえておきたいポイント
* 少数の備品を管理する場合や、試験的な運用にはExcelでも対応可能ですが、
「備品の種類が多い」「複数部署で使用している」「貸出が頻繁」な環境では、Excelの限界がすぐに見えてきます。
* 一方で、備品管理システムは初期設定に多少の手間はかかるものの、導入後は正確で効率的な管理が実現します。とくに紛失や未返却のリスクを防ぎたい場合には、確実な選択肢となります。
備品の紛失・盗難対策なら『備品管理クラウド』
ここまでで、備品の紛失や盗難が発生する背景、そして従来のExcel管理の限界と備品管理システムの必要性についてご紹介してきました。
では、実際にどのようなシステムを導入すればよいのでしょうか?
そこでおすすめしたいのが、アストロラボが提供するクラウド型備品管理システム「備品管理クラウド」です。
「備品管理クラウド」とは?
「備品管理クラウド」は、パソコンやスマートフォン、モニター、USBメモリ、机や椅子、測定機器、制服など、企業が保有するあらゆる備品の情報を一元的に管理できるクラウド型のサービスです。
ブラウザ上で操作できるため、ソフトのインストールは不要。
インターネット環境さえあれば、オフィスでも在宅でも、リアルタイムに備品の状態を確認・更新できます。
「誰が」「いつ」「どこで」「何を」使っているのかが “ 見える化 ” されるため、紛失や未返却のリスクを大幅に低減できます。
備品管理クラウドの主な特徴
機能・特長 | 内容 |
---|---|
貸出・返却管理 | 備品ごとの貸出・返却履歴を自動で記録。返却期限の通知機能もあり、返却忘れを防止。 |
台帳管理 | 備品の型番・購入日・利用部署・管理者などを項目ごとに登録し、検索や編集もかんたん。 スマホアプリでJANコードや製品ラベルを読み取ると、備品の情報を自動で登録。手間と時間がかかっていた手作業による備品登録が不要に。 |
QRコード管理 | 備品に貼ったQRコードをスマホやタブレットで読み取って、貸出や棚卸しを効率化。 |
ユーザー権限管理 | 管理者、利用者など、操作可能な範囲をユーザーごとに細かく設定可能。 |
棚卸し支援機能 | 倉庫やオフィス内での備品棚卸がかんたんに。RFIDに対応しており、大量の備品の棚卸しが一瞬で完了。 |
どこでも利用可能 | 拠点が複数あっても、インターネット経由で情報を一元管理。更新はリアルタイムで反映。 |
シンプルで直感的なUI | ITが苦手な担当者でもすぐに操作可能な、わかりやすい画面設計。導入研修も不要なレベルの使いやすさ。 |
総務部門の声をもとに作られた実用的なツール
「備品管理クラウド」は、実際に備品管理に携わっている現場の声をもとに設計されています。
操作のしやすさ、情報の見やすさ、そして業務効率化につながる実用的な機能が揃っており、総務部門の強い味方になります。
少しでも興味がありましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
また、今回の記事の内容は、アストロラボがお届けする「誰でも成功!!DXチャンネル」でも紹介しておりますので、ぜひご覧ください!