物流倉庫での紛失や混入を防ぐカギは効率的な「備品管理」にアリ!
アストロラボ株式会社

インターネット通販、ECサイトの普及・拡大により、近年、急激に市場規模が拡大している物流業界。膨大な数の商品を迅速かつスピーディーに届けるための「中核拠点」となる物流倉庫では、より正確で効率的な業務・管理体制の整備が求められています。
とはいえ、長く続く人材不足、アナログ業務が多く残されている環境、年々増え続ける物流量……厳しい環境が続く物流業界。その中で業務を効率化し、物品の紛失や異物混入といったトラブルや事故を防ぐためには「備品管理」が大きなカギとなります。その理由と手法について考えていきましょう。
物流倉庫での「業務効率化」を阻む4つの壁
物流倉庫での業務について「効率化が進まない」「何から取り組めばいいかわからない」とお悩みの事業所も多いのではないでしょうか。ではなぜ業務の効率化が進まないのか、その原因となる、主な4つの「課題」について解説していきます。
1. 慢性的な人材不足
物流倉庫での業務は、最近は環境がだいぶ改善されているとはいえ、倉庫内を歩き回ってのピッキングや荷物の運搬など、ある程度の体力を求められます。そのため体力に自信のない人からはどうしても敬遠されてしまいがち。そのため、慢性的な人材不足が続いており、業務効率化を図るために必要な人材を確保できない企業が多いのが現状です。
2. アナログ業務によるヒューマンエラーの発生
本来と違う商品をピッキングしてしまう、荷物の中に備品などの「異物」を混入させてしまう、手書きやFAXでの連絡による伝達ミスなど、倉庫業務は人の手を介する場面が多いだけに、こうした人為的なミスが発生してしまいがち。それにより返品や再出荷が繰り返されることになれば、通常業務への圧迫、コスト上昇にもつながってしまいます。
3. 業務の属人化
取り扱う商品の特性や在庫状況の把握、取引先から指定された梱包方法や作業手順など、物流倉庫では知識や経験を重ねたスタッフがいなければ、円滑に進まなくなってしまう業務が少なくありません。そのため業務が属人化しやすく、「○○さんがいないとわからない」という状況を生み出しがち。それが業務の効率化を妨げる大きな要因にもなります。
4. スピード重視の業務環境
ECサイトやオンラインショッピングにおいて「注文した商品が翌日に届く」ことが当たり前となった今、物流業界においても業務のスピード化が大きな課題となっています。そのため倉庫内作業においても24時間もしくは早朝・深夜の稼働、人材確保のため短期・単発アルバイトを重用せざるを得ないなど、さまざまなしわ寄せが生じています。
こうした「スピード重視」の環境によって労働時間が不規則になり人材不足が加速し、集中力不足や疲労、確認不足などによるヒューマンエラーの増加など、業務の効率化をより難しくさせる要因ともなっています。
「備品管理」の見直しがトラブル防止&業務効率化につながるワケ
こうした「課題」を踏まえたうえで、業務上のミスやトラブルを防ぎ、効率化を図るために……まず見直していただきたいのが、日々、業務で使用している「備品や資材の管理」です。物流や運搬に使用するカーゴ・パレット・コンテナ、スタッフが使用するハサミやカッターなどの工具類まで、何がどこにあり、誰が使用しているか、きちんと管理・把握することでミスやトラブルも減り、スムーズに業務が進められるようになります。
その理由についてご説明します。
業務に必要なものを探す時間が減る
物流倉庫では、ピッキングや検品、運搬、梱包などのさまざまな業務が行われており、各工程で多くの備品が使用されます。ある程度の整理・管理はされていると思いますが、使いたい時に使いたい備品が見つからず、作業スペースから事務所まで取りに行く、倉庫内を探しまわる……となればそれはかなり「無駄」な時間となります。
荷物を運ぶためのカーゴが足りない、アルバイトスタッフ用に準備すべき文具の数が足りない、置いてあるはずの梱包資材やダンボールが見つからない……そんな場面はありませんか?一回の探す時間、業務がストップする時間はわずかでも、それが繰り返されるようであれば、かなり大きな時間のロスとなってしまいます。
無駄な「追加購入」を防ぐことができる
物流倉庫で日常的に使用されるカーゴやパレット、ペンやハサミ、カッターといった備品は、きちんと数や使われている場所、使用者などが管理されていないと、「気づいたら無くなっている」「あれ?こんなに数が少なかったっけ?」なんてことになりがち。そのため必要な時に必要な数が確保できず、追加購入……というケースも少なくありません。
備品管理がしっかりできていれば、備品が「気づいたら無くなっている」ということを防ぐことができるだけでなく、新たに備品が必要になった場合でも、まずは遊休品がないかを確認したうえで「本当に必要な場合だけ購入」といったことも可能となるため、無駄な出費を抑えることができます。
作業導線を整備し、業務を効率化!
作業に必要な備品を、必要とされる分だけ、必要な場所に配置し、きちんと数や使用状況、使用者を管理することができれば、モノを探す・慌てて発注するといった作業がなくなり、そのために業務がストップするといったこともなくなります。
必要なものが常に必要な場所にあるという「働きやすい環境」を整えることで、ストレスを軽減し、本来の業務にも集中しやすくなるといった効果も期待できるため、業務効率と生産性の向上にもつながるのです。
盗難防止、セキュリティ強化にもつながる
物流倉庫は従業員だけでなく、アルバイトスタッフや運送、搬出入に関わる作業員など非常に多くの人の出入りがあります。そのため、管理体制を強化しても、一人ひとりの行動をすべて把握することは難しく、盗難が疑われる備品の紛失例も多く聞かれます。万が一、社内の重要な情報が入ったファイルやPCが持ち出されてしまったら……莫大な損失につながる恐れもあります。
作業後も備品がそのまま倉庫内に置かれているといった環境の中では、「ひとつくらい無くなってもわからないだろう」となってしまってもおかしくありません。適切な備品管理は、そうした隙を与えず、使用するスタッフの意識も高めるためにも重要なこと。それが盗難や紛失の防止にもつながります。

効率的な「備品管理」のためにやるべきこと
では実際に備品管理を効率的に、正確に行うためには、どのような対策をするのが良いのでしょうか。ここでは、まずは実践してほしい5つの取り組みをご紹介します。
1. 管理台帳を作成して、すべての備品を把握する
まずは倉庫内に何の備品がどのくらいあるのかをしっかりと把握するための「管理台帳」を作成しましょう。備品名や保管場所、購入日などを一覧にして、各備品を誰がいつから使っているのかが一目でわかるよう紐づけて記入していきます。また、棚卸しの記録なども一緒に記入できるようにしておきましょう。
一般的にこの管理台帳は紙、またはExcelで作成されることが多く、使用期間や場所、使用者に変更があった際は、その都度、その情報を修正し、最新の状態を保つよう心がけましょう。そして、備品の管理担当者はもちろん、備品を使用するスタッフ全員にその内容を共有しておけば、貸出時のダブルブッキングなどを防ぐことができます。
2. 備品に管理ラベルを貼り、紐づけて管理する
物流倉庫ではカーゴやパレットのように「同じ形、種類の備品をいくつも使っている」ことが珍しくありません。またハサミやカッターのように大量の本数を保有している備品も多いはずです。その場合、例えばどのハサミがどこで誰によって使われているのかを、きっちりと区別・管理することはかなり手間がかかる作業になってしまいます。
そこでオススメなのが、管理番号や認識番号を書いたラベルを作成して各備品に貼り付け、その番号を管理台帳にも記載して一元管理する方法です。それによってどの備品がどこで使用されているかが確認しやすくなり、例えばハサミを貸し出す際も、誰が何番のハサミを使っているかといった形で「見える化」させることができるので、備品を使用するスタッフの管理意識も高まります。
3. 備品の保管場所を決め、整理整頓を徹底する
業務終了後、使用した備品を「一か所にまとめて保管する」といった曖昧な管理は、盗難や紛失の要因にもなります。使用後はどこに何を保管するのか、遊休品の管理場所など、各備品の「保管場所」を決め、それをスタッフに共有し、徹底させるようにしましょう。
備品の「保管場所」を整理する際に、日常的に使うもの、使用頻度が低いもの、故障しているものなど、備品を分類しておきましょう。余剰備品がある場合は、他部署などで使用できるものは譲渡する、必要に応じて処分・廃棄すれば、全体像が把握しやすくなるだけでなく、保管スペースの確保・管理コストの削減にもつながります。
4. 備品の管理ルールを決め、共有する
管理台帳を作成し、保管場所も確定したら、実際に備品を使う際に守るべき「ルール」を決めます。例えば備品の保管方法や備品を借りる・返却する際の手続き、管理台帳への記入・入力方法などを明文化しておきましょう。そして印刷して配布する、見やすい場所に掲示するなど、誰もがすぐに内容を確認できるようにしておくのもお勧めです。
すべてのスタッフが備品管理の重要性について理解し、きちんとルールに従って行動できる体制を整えることで、一人ひとりの備品管理に対する意識も高まり、整理された状態を継続することができます。
5. 定期的に「棚卸し」を実施する
管理台帳に記載された内容と照らし合わせて、備品の数に相違はないか、紛失はないかを確認する「棚卸し」を定期的に行いましょう。その際、安全性に影響するような破損はないか、買い替えの必要はないかなど、備品の状態も合わせて確認すると安心です。
棚卸しの頻度は、備品の種類や価値によっても異なりますが、半年から一年に一度くらいで行うのが理想です。定期的に棚卸しを行うことで管理ラベルなどの状態や、使用頻度の再確認もできますし、万が一の紛失にも早く気づき、適切な対応を取ることもできます。
『備品管理クラウド』を活用してトラブル回避&業務効率化!
ここまで備品の効率的な管理のために取り組んでおきたいポイントを解説しました。とはいえ、人手不足や増え続ける業務量、スピード重視の職場環境……正直、「そこまで手が回らない!」という事業所も多いと思います。
そんな時にぜひ活用してほしいのが、株式会社アストロラボが提供するクラウド型の備品管理システム『備品管理クラウド』。普段使用しているスマートフォンに専用のアプリをダウンロードするだけで、面倒な備品管理台帳の作成から運用まで驚くほど簡単に、効率的に行うことができます。ぜひ下記のような普段の「困った」「不便」の解消にお役立てください!
人員不足&忙しさで「管理台帳」を作成する余裕がない
備品管理の重要性は理解しているけれど、今ある備品を把握して台帳を作成するための時間も人手も足りない……という事業所も少なくないと思います。でも『備品管理クラウド』なら、各備品の製品ラベルやバーコードを専用アプリで読み込むだけで、備品名や型番、メーカーなどの情報を読み取り、一覧にしてくれるので、手入力で起こりがちなヒューマンエラーもなく、台帳作成の手間を大幅に軽減できます。
また、各備品の写真を撮影し登録すれば、一覧にも表示されるので、必要なときに該当の備品が探しやすくなるだけでなく、ハサミやカッターなど、同じ名前・種類の備品が複数あるときにも、区別・管理がしやすくなります。
持ち出したパレットやカーゴがいつの間にか少なくなっている……
大量の荷物を輸送する際に欠かせないカーゴやパレット。しかし、荷物とともにあちこちに移動するため「気づけばなくなっている」「年間、何回も追加で発注している」という事業所もあるのでは? パレットやカーゴは単価が高く、足りないからと追加購入をしていては、無駄な支出ばかりが増えていく要因となってしまいます。それを防ぐためにもパレットやカーゴは「所有者」を明確に記載するだけでなく、どこに、いつ、いくつのパレットやカーゴが使われ、いつ戻るのかといった動きを把握・管理することが重要です。
そんな時も『備品管理クラウド』なら、所有するすべてのパレットやカーゴに管理番号や使用開始日、バーコードやQRコードなどを印字した「管理ラベル」を貼り、管理台帳で一元管理。倉庫から持ち出す際には専用アプリからコードを読み取り「貸出」を選択すれば、そのパレットがいつ、どこに持ち出されたのかがすぐに確認できるようになります。持ち出した数が明確になれば、返却数が合致しないときにも、すぐに追跡できるようになりますし、管理番号があることで、万が一、納品後に予想外の場所へ輸送されてしまった場合も、追跡して回収できる可能性が高くなります。
作業用に使う備品がすぐに無くなる
短時間だけ勤務するパート従業員、短期・単発のアルバイトなど、多くのスタッフが入れ替わりで勤務することも多い物流倉庫。作業時に使用するハサミやカッター、軍手といった備品をまとめて用意しているというケースもあると思います。しかし、その際に「誰がどの備品を使っているか把握できていない」場合、備品を大切に使う・紛失しないようにするといった意識を低下させてしまいがち。その結果、紛失や盗難が頻発し、気づけば備品の数が足りず、追加で購入……といった無駄が発生する恐れもあります。
そんな場合も『備品管理クラウド』を導入すれば、一つひとつの備品に貼り付けた「管理番号」と使用者、試用期間、貸出と返却の履歴などをすべて紐づけて管理することができます。誰がどの番号の備品を使っているか、きちんと返却したかといった情報を「見える化」することで備品管理への意識を高め、紛失や盗難の防止にも役立ちます。
フォークリフトや倉庫内で使用する機器を管理したい
倉庫内には、フォークリフトをはじめ、梱包や運搬をサポートするさまざまな機器が稼働しています。それらを安全にトラブルなく活用するためには、決められたメンテナンスや定期検査をきちんと受けることが重要です。しかし、これらの機器は購入時期がバラバラで、しっかり管理しておかないと定期検査の日程などを見落としてしまうことも。また、レンタル・リース品であれば、契約の期限をきちんと把握しておく必要もあります。
『備品管理クラウド』は、こうした機器を管理台帳に登録する際、合わせて購入日や、法定定期検査の予定、リースやレンタルの契約満了日などの期日や期限を登録し、紐づけて管理することができます。また、それらの期日が近づいてくるとアラートで知らせてくれるので、「うっかり点検期日を忘れた」「レンタル期限を忘れていた」といったミスを防ぐこともできます。
RFIDを活用すれば、万が一の「異物混入」にも素早く対応可能!
梱包作業を終え、気づいたら使っていたハサミが1本無くなっている……そんな経験はありませんか? その場合、梱包した箱の中に誤って紛れ込んでいる可能性もあるため、せっかく梱包した箱をすべて開け、混入がないかを調べることになってしまいます。もちろん、作業時の備品管理に注意を払うことが最も重要なことではありますが、ヒューマンエラーはどうしても起きてしまうもの。スピードを要求される業界だけにミスが起きた後、いかに迅速に問題を解決するかが、対応策を考えておくのも大切なことです。
『備品管理クラウド』では、各備品に管理番号や備品名、購入日、型番などの情報が書かれたラベルを貼り付け、そのラベルを読み込むことで貸出や返却、棚卸しなどの手続きを行っています。そのラベルをRFIDにしておけば、専用のスキャナーで一度に複数の情報を読み取れるようになるため、棚卸し作業がグンと楽になるだけでなく、こうした混入トラブルが起きた時にも、梱包した箱の外側からスキャナーを当てるだけで簡単に「混入の有無」「異物(備品)が混入した箱の特定」をすることができるので、時間のロスを大幅に短縮することができます。
『備品管理クラウド』に少しでも興味を持たれた場合は、下記よりお気軽にお問い合わせください。
まとめ
・・・いかがでしょうか。
慢性的な人材不足、スピード重視の環境など、さまざまな課題を抱える物流業界においては、業務内で使用されるさまざまな備品や機器をしっかりと管理することが、時間やコストの「無駄」を抑え、業務の効率化につながることがお分かりいただけたかと思います。
いつも使っているスマホに専用のアプリをダウンロードするだけで、日々使用する備品の数や状態はもちろん、持ち出しや返却の情報もリアルタイムに確認・共有できる『備品管理クラウド』を活用して、業務やトラブル発生時の時間ロス、コストを削減して、より効率的で安心・安全な職場環境を整えていきましょう。