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備品管理コラム

「固定資産の管理が後回しになっている」

「棚卸しのたびに現場が混乱する」

「台帳と現物が合っていない」

——このようなお悩みをお持ちの総務担当者は少なくありません。企業が所有する土地、建物、備品、IT機器などの固定資産は、日々の業務を支える重要なリソースであり、適切な管理が求められます。

しかし、固定資産管理は会計処理・現物管理・棚卸しなど多岐にわたり、対応には相応の時間と労力が必要です。非効率な運用が続けば、ムダなコストが発生し、場合によっては税務や内部統制のリスクにもつながりかねません。

本記事では、「固定資産管理とは何か?」という基本から始め、業務の目的・内容・分類、さらには効率化の手法やよくある課題への対処法までを、わかりやすく解説します。煩雑になりがちな資産管理を見直し、効率化・標準化を進めるヒントとして、ぜひご活用ください。

固定資産管理とは

固定資産管理とは、企業が所有している資産、特に長期間使用することを前提とした資産を正確に把握・管理する業務を指します。ここでいう固定資産とは、土地、建物、機械設備、車両、パソコン、業務用ソフトウェアなどが含まれます。これらの資産は会社の財産であり、業務を行う上で欠かせないものです。

固定資産管理には2つの視点があります。一つは「会計上の管理」、もう一つは「現物管理」です。

会計上の管理

資産を帳簿に記録し、取得金額、耐用年数、減価償却費などを適切に処理することです。
これは財務諸表に影響するため、税務や会計の観点でも重要です。

現物管理

資産がどこにあり、誰が使っていて、どんな状態なのかを把握・確認することです。
実際の資産の利用状況や劣化状況を把握することが目的です。

この2つの管理が連動して初めて、適切な固定資産管理が行われるといえます。
帳簿には存在していても現物が見つからない、またはその逆のケースでは、管理が不十分だと判断されることになります。

固定資産管理の目的

経費の最適化と無駄の削減

現状の資産を正確に把握することで、重複した資産の購入や、遊休資産の放置といった無駄を減らすことができます。
また、不要な資産を早期に廃棄・売却することでコスト削減にもつながります。

税務申告や財務管理の正確性向上

固定資産の情報が整備されていないと、減価償却の計算や資産台帳の作成にミスが生じ、税務申告時に問題が発生する可能性があります。
逆に、正確な管理ができていれば、税務調査にもスムーズに対応できます。

内部統制・セキュリティ対策

物品の所在や使用者を明確にすることは、不正利用や情報漏洩の防止にもつながります。特にパソコンなどのIT資産には社外秘の情報が含まれる可能性が高いため、管理体制の強化は重要です。


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固定資産とは?

固定資産管理の対象となる「固定資産」とは、会計上の概念です。
一般的な企業では、PCやデスク、ソフトウェアやコピー用紙など、有形無形のさまざまな物品を所有しています。
固定資産とは、その中から特定の条件を満たすものを指し、貸借対照表の資産の部に計上される資産です。

固定資産の基本要件

固定資産に分類される物品は、次の条件をいずれも満たす必要があります。

a. 使用期間が1年以上であること
b. 取得価額が10万円以上であること(※手数料・送料など取得に付随する費用を含めた額)

消耗品や備品との違い

固定資産として扱われる物品は、使用期間が1年未満のものや、取得価額が10万円未満のものとは区別されます。
これらは会計上の「消耗品」として処理されます。
また、「一括償却資産」と呼ばれる固定資産もありますが、これは「備品」として区別されることもあります。

固定資産は消耗品や備品と異なり、購入時に一括で費用として計上されるのではなく、耐用年数に応じて減価償却され、数年にわたって費用として計上されます。
これにより、固定資産の価値が時間とともに減少する損耗を考慮した処理が行われます。

固定資産管理の対象と分類

有形固定資産

目に見える、触れることができる資産です。
たとえば次のようなものがあります。

・土地、建物
・車両、機械、工具
・家具、備品、パソコンなど

これらは通常、法定耐用年数に従って減価償却を行います。

無形固定資産

形のない資産ですが、企業の経営に大きな影響を与えるものです。

・ソフトウェア
・特許権、商標権
・営業権

これらは企業独自の競争力にもつながる重要資産であり、管理の精度が求められます。

税務上の分類

税務上、資産は金額や用途により以下のように分類されます。

減価償却資産

取得価額が10万円以上で耐用年数がある資産。
取得価額を耐用年数に応じて分割し、1期分ずつ費用として処理します。
減価償却資産税の課税対象となります。

一括償却資産

取得価額が10万円以上20万円未満で、3年で均等償却。
取得価額を3年で均等に分割し、毎年3分の1ずつ費用として処理できます。
一括償却資産税の課税対象にはなりません。

少額減価償却資産

中小企業にのみ認められている特例によるもので、取得価額30万円未満の資産を一括償却可能。
消耗品などの場合と同様に、取得時に一括で費用として処理できます。
少額減価償却資産税の課税対象となります。


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固定資産管理の業務内容

固定資産台帳の作成と管理

すべての固定資産について、取得日・取得価額・使用部門・設置場所・耐用年数などを記載した台帳を作成します。
これにより、どの資産がどこでどのように使われているかを一目で把握できます。
固定資産管理の要は「台帳」です。
社内の固定資産に関するすべての情報を、固定資産台帳に集約して一元管理します。
台帳はエクセルなどで手作業で作成することもできますが、オンライン台帳やクラウド台帳を利用することで、現物の写真を含めた情報に簡単にアクセスできます。

固定資産の棚卸し

年に1回以上、実際の資産が存在するか、台帳と一致しているかを確認する「棚卸し」を行います。
不一致があった場合は、原因を調査し、台帳を修正したり、必要に応じて除却処理を行います。

固定資産管理シールの貼付

資産に管理番号を記載したシールを貼ることで、資産の識別を容易にし、棚卸しや移動管理を効率化します。
バーコードやQRコード付きのシールを用いることで、スマホなどでのスキャン管理も可能です。
固定資産に直接貼り付ける場合もありますが、貼り付けることができない物品に対しては、カード形式のものに貼り付けて吊るすなどの方法があります。

固定資産管理規程の策定

社内での資産の取得・移動・廃棄などのルールを明確にするため、「固定資産管理規程」を策定します。これにより、属人的な運用を排除し、誰が対応しても同じ品質で管理が行えるようになります。
固定資産の取得や廃棄など、各業務における基準や手順を明確にし、全スタッフが理解できるようにします。
また、適切な保管やセキュリティ対策に関するルールも含めることが重要です。

固定資産管理の運用方法

固定資産管理は「定期業務」と「日常業務」に大別できます。
それぞれに明確なフローがあり、計画的な実施が求められます。

定期業務

設備投資計画の立案

次年度に導入予定の資産をリストアップし、予算と照らし合わせて投資計画を作成します。

固定資産の定期実査

年1回など定期的に、実際に資産を目視で確認し、台帳と一致しているかを検証します。

会計処理

月次または四半期ごとに、減価償却費の計上や除却処理を実施します。
これにより、決算時の対応がスムーズになります。

日常業務

資産の取得・廃棄

新たに取得した資産を速やかに台帳へ登録し、不要となった資産は除却申請を行います。

資産の異動管理

部署間での移動や一時的な貸出などがある場合、申請・承認のフローを通じて記録を残します。

このように、固定資産管理には一つひとつの工程を確実に実施することが求められ、特に総務部門ではその中核的な役割を担います。

現物管理を怠った場合のデメリット

無駄な備品の購入が発生する

例えば、開発部門でPCが余っており、使用されずに複数台保管されていたとします。
それを知らない営業部門が新入社員全員分のPCを新規購入してしまった場合、開発部門が保管しているPCは使用されることのないまま放置されます。
このような無駄な購入による経費増大を避けるためには、会計上で管理している資産が実際に現場でどのような状態にあるのか、日頃からきちんと現物管理して把握しておく必要があります。

管理対象の固定資産を正確に把握できない

現物管理が行き届いていないと、現場で誰にも使用されていない固定資産があることに、経理担当者は気付くことができません。
当然、廃棄されることもなく除却処理もされないままになってしまい、必要以上の税金を払うことになります。
現物管理を徹底すれば、遊休品・修理中・廃棄予定など各物品のステータスを正確に把握することができ、経理担当者は正確な情報をもとに償却資産税を算出できるでしょう。


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固定資産管理の効率化手法

固定資産の管理業務は煩雑になりがちですが、近年ではIT技術の活用や業務フローの見直しによって、大幅な効率化が可能となっています。
以下に代表的な効率化手法を紹介します。

固定資産管理ソフトの導入

専用の固定資産管理ソフトを導入することで、資産の台帳作成、減価償却計算、帳簿出力などが自動化され、作業工数を大幅に削減できます。
また、クラウド型のソフトであれば、複数拠点からリアルタイムでの情報共有も可能です。

<代表的な機能>

  • ・減価償却の自動計算
  • ・資産の一元管理(検索・分類・履歴)
  • ・帳票の自動作成(償却資産申告書など)

バーコード・QRコードによる資産識別

資産管理シールにバーコードやQRコードを印字し、スマートフォンやハンディターミナルで読み取ることで、資産の棚卸しや移動管理が迅速に行えます。
これにより、手作業による記録ミスや棚卸し漏れを防ぐことができます。

<導入のメリット>

  • ・棚卸し時間の大幅短縮
  • ・資産情報の正確な把握
  • ・持出・返却履歴の追跡が容易

ワークフローの電子化

資産の取得申請、移動申請、除却申請などの各種手続きを電子化することで、承認の迅速化と記録の標準化が実現できます。これにより、申請漏れや承認遅延といったリスクも低減されます。

<電子化対象>

  • ・資産取得・登録フロー
  • ・移動・貸出の承認フロー
  • ・廃棄・除却申請と承認記録

定期メンテナンスと状態管理の自動化

資産ごとの使用年数やメンテナンス履歴をシステム上で一元管理し、定期点検のスケジュールを自動通知する仕組みを整えることで、故障や劣化の早期発見が可能になります。
これにより、突発的なトラブルや業務停止のリスクを抑えることができます。

遊休資産・不要資産の可視化と再活用

台帳データと利用実態を連携させることで、現在使われていない遊休資産や、他部署で再利用可能な資産を可視化できます。これにより、新規購入を抑え、コスト削減につなげることが可能です。

固定資産管理の課題と対策

固定資産管理の重要性が高まる一方で、実務ではさまざまな課題が発生します。
ここではよくある課題とその対策を紹介します。

管理対象の漏れや情報の不整合

課題:資産登録の漏れや、現物と台帳情報の不一致が頻発すると、税務リスクや内部統制の観点から問題となります。

対策

  • 資産取得時の登録ルールを明確化し、取得時点での即時登録を徹底。
  • 棚卸しや定期点検を通じて情報の正確性を担保。
  • システム導入により、台帳と現物の紐付け精度を向上させる。

拠点ごとの管理ルールのばらつき

課題:複数の支店や事業所がある場合、それぞれで管理の基準や運用方法が異なると、情報の統一が図れず混乱を招きます。

対策

  • 「固定資産管理規程」などの社内ルールを統一し、全社的に周知・教育。
  • 管理システムの導入により、全拠点で共通の運用環境を構築。
  • 管理責任者の設置と定期的な報告フローの整備。

人手不足や属人化

課題:固定資産管理を特定の担当者だけが理解・運用していると、異動や退職時に引き継ぎが困難になります。

対策

  • 業務フローをマニュアル化し、複数名体制で管理。
  • クラウド型システムを導入して業務内容を可視化。
  • 定期的な社内研修やOJTでノウハウを共有。

棚卸しの非効率性

課題:紙のリストを元にした手作業の棚卸しでは、時間も人手もかかり、ミスが生じやすくなります。

対策

  • バーコードやQRコードによるスキャン方式の導入。
  • モバイル端末での棚卸し記録を活用。
  • 棚卸し履歴をデジタルで保存し、次回以降の作業を効率化。

遊休資産・不要資産の放置

課題:実際に使われていない資産が長期間保管され、スペースやコストの無駄が生じます。

対策

  • 使用頻度や設置状況を定期的にチェック。
  • 再配置や売却・廃棄の判断基準を明確化。
  • 経営陣と連携し、全社的な資産最適化を図る。

固定資産管理を効率化する3つのポイント

固定資産の管理にはとにかく手間と時間がかかります。
しかし、企業は経営上、固定資産管理から逃れることはできません。
目視確認など、なにかと人海戦術で実施されやすい現物管理は、どうすれば効率よく運用できるのでしょうか。
ここからは業務効率化の3つの手法について解説します。

1. 固定資産管理業務の外部委託(アウトソース)

自社リソースを使わずに固定資産を管理したい企業は、外部委託を検討することができます。
会計処理や税務処理の外部委託は一般的ですが、固定資産の実査(現物管理)の外部委託はまだ普及していません。
しかし、社内での管理体制を整えることなく、外部に委託することで効率化が図れる場合があります。

2. 固定資産管理システムなどのソフトウェア導入

手作業での台帳作成や運用から解放されるために、固定資産管理システムの導入が有効です。
現物管理の効率化に特化した製品を選ぶことが重要であり、機能や価格などを比較検討する必要があります。

3. 固定資産管理を効率化するアプリの利用

システム導入や外部委託はハードルが高い場合には、スマートフォンアプリの利用が適しています。
特に固定資産管理に役立つアプリは数少ないですが、棚卸し作業をスキャンで処理できるアプリを選ぶことで、現物管理の効率化が可能です。

固定資産管理の効率化なら『備品管理クラウド』

アストロラボ株式会社の『備品管理クラウド』は、固定資産管理機能により固定資産管理を効率化します。

償却資産管理

備品管理クラウドは、同じアイテムに対して、目的の異なる備品管理と償却資産管理を同時に行うことができます。
総務担当者、経理担当者、顧問税理士など、償却資産管理にかかわる人が情報を共有できるので、めんどうなやりとりを減らせます。
また、税務申告に必要な固定資産管理ソフトの連携も可能なため、償却資産管理をスムーズに行えます。

固定資産管理機能

備品管理クラウドは、固定資産管理ソフトと連携ができます。
固定資産管理ソフトの情報をCSVでエクスポートし、備品管理クラウドにアップロードすると、固定資産管理ソフト上で管理されている資産と、備品管理クラウドに登録しているアイテムを紐づけて管理できるようになります。

また、備品管理クラウド上にまだ登録がない資産については、新規アイテムとして備品管理クラウドに取り込むことができます。

固定資産管理ソフトを更新したあとで、備品管理クラウドに差分取り込みすることも可能です。

部署の壁を超えて情報を共有

たとえば、償却資産として管理する必要があるアイテムを購入したとき、購入担当者が備品管理クラウドに登録すれば、このアイテムがどういうものなのか顧問税理士もすぐに内容を確認できます。
今までのように、どういうアイテムかわからず、税理士から経理担当者へ、経理担当者から総務担当者へ聞く手間もなくなります。

移動や廃棄など、資産に関連する情報に変化があったときも、総務担当者が備品管理クラウドで更新した内容は経理部でもすぐに把握することできます。
もちろん、遠く離れた支社で更新された情報もリアルタイムに確認できます。

固定資産の棚卸

現物を確認するための棚卸も、備品管理クラウドで簡単に行えます。
備品管理クラウドに登録されている固定資産対象のアイテムと、実際のアイテムの状態が一致しているかを確認し、固定資産台帳の正確性を担保します。

また、備品管理クラウドなら、棚卸するために特別な機器を用意する必要もありません。
アイテムを利用している部署やスタッフが直接棚卸をできるので、備品を管理する担当者の負担が軽減されます。


『備品管理クラウド』に少しでも興味を持たれた場合は、下記よりお気軽にお問い合わせください。


まとめ

固定資産管理は、企業経営において重要な役割を果たす業務の一つです。正確な資産情報の把握は、経費削減や税務対応の精度向上、さらにはリスクマネジメントにも直結します。

特に総務部門は、全社の資産を一元的に管理する立場にあるため、業務の正確性と効率性の両立が求められます。資産台帳の整備や棚卸しの実施はもちろん、日常的な資産の取得・移動・廃棄の記録も欠かせません。

近年では、IT技術を活用した管理システムの導入や、クラウドによる情報共有、モバイル機器の利用など、効率化の手法も多様化しています。これらを積極的に取り入れることで、属人化の防止や業務の標準化が進み、結果として管理レベルの向上につながります。

固定資産管理は、単なる「物の管理」ではなく、企業の資産を守り、有効活用するための「経営支援業務」であると言えるでしょう。今後ますます求められるガバナンス強化やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の観点からも、固定資産管理の見直しと効率化は、避けては通れない重要テーマです。

まずは現状の管理体制を点検し、小さな改善からでも一歩を踏み出すことが、将来的な大きな効果につながります。本コラムが、みなさまの業務改善の一助となれば幸いです。


固定資産管理の効率化なら『備品管理クラウド』

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