備品の持ち出し管理表の作成方法とクラウドサービスの活用
アストロラボ株式会社

会社で使う備品には、パソコンやプリンター、プロジェクター、椅子や机など、さまざまなものがあります。
これらは仕事をスムーズに進めるために欠かせませんが、数が増えると管理が難しくなります。
特に「誰がいつ、どこに持ち出したか」を管理しないと、備品の紛失や破損、不要な買い替えが起きてしまいます。
そこで、「備品の持ち出し管理表」を作って、しっかり記録をつけることが大切です。
持ち出し管理表を正しく作成し運用すれば、管理ミスを減らし、効率的に備品を使えます。
さらに最近では、クラウドサービスを使うことでリアルタイムに管理でき、使いやすくなっています
この記事では、備品の持ち出し管理表の作り方と、クラウドを活用した管理の方法を詳しく解説します。
備品の持ち出し管理が必要な理由
備品がたくさんある会社では、「どこに何があるか」が分からなくなることがよくあります。
備品の管理が甘いと、次のような問題が起きやすくなります。
紛失や盗難のリスクが高まる
持ち出したまま返却されなかったり、誰が持っているか分からなくなったりすると、備品を紛失してしまいます。これは会社にとって大きな損失です。
必要なときに備品が使えない
誰かが持ち出していて貸出状況が分からなければ、必要な備品をすぐに使えず、仕事が遅れてしまいます。
ムダな買い替えや補充が増える
備品の在庫が正確に把握できていないと、まだ使えるものを新たに買ってしまうことがあります。
これによりムダなコストが増えていきます。
管理業務の負担が増える
どこに何があるのか分からず探す時間が増えたり、管理者の作業が煩雑になったりします。
このような問題を防ぐために、備品の持ち出し状況をきちんと管理することが必要です。
持ち出し管理表を使うことで、「誰が」「いつ」「どの備品を」「どこに持ち出したのか」が明確になります。
これにより、紛失防止だけでなく、備品の効率的な利用が実現できます。
持ち出し管理表の作成方法
持ち出し管理表は、備品の貸出記録をつけるためのシンプルな表です。
初心者でも作りやすいExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトを使うのが一般的です。
持ち出し管理表に入れるべき項目
以下の項目を管理表に含めると、管理しやすくなります。
- ・管理番号:備品を識別するための管理コード。
- ・備品名:何の備品か分かるように名前を記載します。
- ・型番:備品の型番。
- ・メーカー:備品のメーカー。
- ・数量:持ち出した備品の数を記入します。
- ・持ち出し日:いつ持ち出したかを記録します。
- ・持ち出し者:誰が持ち出したかを記録します。名前や社員番号など分かりやすい情報が良いでしょう。
- ・持ち出し先:持ち出した場所や部署を記入します。
- ・持ち出し理由:なぜ持ち出したか、目的を書きます。
- ・返却予定日:いつまでに返す予定かを記入します。
- ・返却日:実際に返却された日を記録します。
管理表の例(Excel)
管理番号 | 備品名 | 型番 | メーカー | 数量 | 持ち出し日 | 持ち出し者 | 持ち出し先 | 持ち出し理由 | 返却予定日 | 返却日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
001 | ノートPC | P001C | XYZ | 1 | 2025/6/2 | 佐藤アキラ | A工場 | 工場でのテスト | 2025/6/6 | 2025/6/6 |
ポイント
- ・管理表はできるだけシンプルに作り、誰でも記入しやすくします。
- ・日付は「西暦/年月日」の形式で統一すると見やすいです。
- ・持ち出し者はフルネームや社員番号を入れるとトラブル防止になります。
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持ち出し管理表の活用方法と注意点
持ち出し管理表は作っただけでは意味がありません。
正しく運用してこそ効果があります。
ここでは活用方法と注意点を説明します。
持ち出し管理表を活用するためにできること
貸出・返却のルールを決める
備品を持ち出すときは必ず管理表に記入するルールを社内で決めましょう。
返却時も記入・確認を忘れずに行います。
定期的に管理表をチェックする
管理者が定期的に記録を確認し、返却されていない備品がないかチェックします。
管理表のデータを集計して分析する
どの備品がよく使われているか、返却が遅れている人はいるかなどを分析すると管理の改善に役立ちます。
備品のラベルやシールを貼る
管理表と併せて、備品にラベルやQRコードを貼ると、どの備品かすぐに分かり管理しやすくなります。
注意点
記入忘れや記入ミスが起こりやすい
紙やExcel管理は手作業なので、記入漏れや間違いが起こることがあります。
定期的な確認が必要です。
情報の共有が遅れがち
管理表が1つのPCだけにあったり、更新が遅れたりすると情報共有が遅れます。
担当者の負担が増える場合もある
管理表の記入やチェックに時間がかかると、担当者の業務負担が増えてしまうことがあります。
エクセルの持ち出し管理表の課題
多くの企業では、備品の持ち出し管理にエクセル(Excel)を使った持ち出し管理表を導入しています。
エクセルは導入コストがかからず、誰でも基本的な操作ができるという利点があります。
そのため、「とりあえずエクセルで管理しておこう」と始めるケースも少なくありません。
しかし、エクセルでの管理は一見便利に見えても、運用を続ける中でさまざまな課題に直面することがあります。
特に備品の数が多くなったり、部署や拠点をまたいで運用するようになると、次のような問題が顕在化していきます。
記入ミスや記入漏れが頻発する
エクセルの管理表は基本的に手入力です。
そのため、「入力する人の判断」や「入力する人の習慣」に依存してしまいがちです。たとえば、
・数字の桁を間違えて入力してしまう(例:1台→10台)
・日付の形式がバラバラでソートできない(例:2025/6/1、6月1日、R7.6.1など)
・担当者名の書き方が統一されていない(例:山田、山田太郎、Yamadaなど)
といった些細な入力のズレが蓄積し、データの整合性が崩れていきます。
また、「忙しいから後で入力しよう」と思って記入を後回しにした結果、記録し忘れてしまうことも多くあります。
こうした記入漏れが積み重なると、いざ備品が見つからない時に「管理表に載っていないから誰が持っているのか分からない」という事態に陥ります。
同時編集ができず、情報共有にタイムラグが生じる
エクセルファイルはローカルのパソコンや社内の共有サーバーで管理されることが一般的です。
この場合、ファイルを開いた人しか編集できない「排他制御」がかかるため、複数人が同時に使うことができません。
たとえば、営業部の社員が貸出の記録を入力している間に、総務部の担当者が返却の確認をしたくてもファイルを開けないことがあります。
さらに、エクセルのバージョンや使用環境によっては、ファイルが壊れたり、上書き保存ミスが起きることもあります。
こうしたことが原因で、「情報をリアルタイムに更新できない」「更新された情報が反映されていない」といった問題が頻繁に起こり、社内の混乱を招いてしまうのです。
担当者に負担が集中しやすい
エクセルによる管理は、基本的に「管理者の目視と手作業」に依存します。
ファイルの更新や確認作業、備品の返却状況のチェック、問い合わせへの対応などがすべて担当者に集中しやすくなります。
たとえば、次のような状況を想像してみてください。
・毎朝、誰がどの備品を持ち出しているかをチェックする
・月末には、返却されていない備品を一覧でまとめる
・社員からの「○○って今使える?」という問い合わせに都度対応する
これらの作業が積み重なると、本来の業務に支障が出るほどの負荷になります。
また、担当者が休んだり異動した場合に、管理の引き継ぎがうまくいかず、管理体制が一気に崩れてしまうリスクもあります。
集計や分析に時間がかかる
エクセルで備品の利用状況を把握するためには、関数やピボットテーブルなどの操作が必要です。
しかし、総務の業務をしている人の中には、こうした高度な機能を使い慣れていない方も多いでしょう。
結果として、「どの備品がよく使われているか」「返却遅れが多いのは誰か」といった情報を把握するのに時間がかかり、データ活用が進みません。
また、表が複雑化していくと、誤操作によるデータ破損のリスクも高まります。
セキュリティリスクがある
備品の情報には、会社の資産や機密機器のリストなども含まれます。
エクセルでこれらを管理する場合、ファイル自体にパスワードをかけるなどの対策が必要ですが、運用が手間になることから「とりあえずそのまま共有フォルダに置いておく」といったケースも少なくありません。
万が一、外部にファイルが流出してしまうと、社外秘の資産情報が漏洩する可能性もあります。
また、社内の誰でもファイルを開いて編集できるようにしている場合、意図しないデータ改ざんや削除が起きるリスクもあります。
このように、エクセルによる備品の持ち出し管理は「始めやすい」反面、運用の継続と精度を保つためには多くの労力と注意が必要です。
特に、社員数が多くなったり、拠点が複数ある企業では、エクセルの限界を感じることが増えてきます。
こうした課題を解決するために、近年では「クラウド型の備品管理ツール」を導入する企業が増えているのです。
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クラウドサービスを活用した持ち出し管理の効率化
備品の持ち出し管理をエクセルで続けていると、「もっと簡単に管理できないか」と感じる場面が出てきます。
そこで近年注目されているのが、クラウドサービスを活用した備品管理システムです。
クラウドサービスとは、インターネットを通じてアクセスできる仕組みのことで、専用のソフトをインストールする必要がなく、スマートフォンやパソコン、タブレットなど、どこからでも使えるのが特徴です。
外出先や出張中でも、備品の状況を確認・更新できるため、非常に便利です。
また、クラウド型の管理ツールは、「使いやすさ」を重視した設計のものが多く、ITに不慣れな社員でもすぐに使いこなせるように工夫されています。
クラウドサービスの主なメリット
1. リアルタイムで情報を共有できる
クラウドサービスの最大の強みは、情報の「即時性」です。
たとえば、ある社員が社用ノートパソコンを持ち出した際、その情報をアプリで登録すると、社内の誰もがその情報をリアルタイムで確認できます。
これにより、「今、この備品は誰が使っているのか」「いつ返却予定か」といった情報を瞬時に把握できるため、二重貸出や行き違いを防止できます。
2. QRコードやバーコードで持ち出し操作が簡単に
最近のクラウド型備品管理システムの多くは、QRコードやバーコードを活用できます。
備品一つひとつに専用のQRコードを貼り付けておけば、スマートフォンでそれを読み取るだけで「誰が・いつ・何を」持ち出したかを自動で記録できます。
エクセルのように、型番や管理番号を手入力する必要がなくなるため、入力ミスがなくなり、記録の精度が大幅に向上します。
3. 返却忘れを防ぐ「リマインダー機能」
貸出期限を設定できるクラウドサービスでは、返却期限が近づくと自動で通知を送る機能(リマインダー)があります。
これにより、「うっかり返し忘れてしまった」というトラブルを防ぎやすくなります。
たとえば、メールやアプリの通知で「あと1日で返却期限です」とアラートが届くため、社員自身も返却意識を持ちやすくなり、管理担当者のフォローも減らせます。
4. データの自動集計・分析が可能
クラウドサービスでは、貸出履歴や返却状況が自動的に記録・蓄積されます。
そのため、「この1か月で最も使われた備品は何か」「返却遅れが多い人は誰か」といった情報をワンクリックで確認できます。
これは、エクセルでは関数やマクロなどの知識が必要だった集計作業が、ほぼ自動化されるということです。
総務部門の工数削減はもちろん、備品購入や運用ルールの見直しにも活用できる貴重なデータとなります。
5. シンプルで使いやすいUI(画面設計)
多くのクラウド型備品管理システムは、「現場で使われること」を前提に、操作がとても簡単に作られています。
たとえば、
- ・「貸出」「返却」などの操作がアイコンでわかりやすい
- ・入力項目が必要最小限に絞られている
- ・初心者でも迷わない画面構成
といった工夫がなされており、ITリテラシーに不安がある方でも安心して使えます。
導入時に確認しておきたいポイント
クラウド型の備品管理システムは多種多様な製品があります。
導入にあたっては、以下の点を確認しておくと失敗が少なくなります。
1. 自社の運用スタイルに合っているか
たとえば、「全社員がスマホを持っているか」「備品の貸出頻度は多いか」「部署ごとにルールが違うか」など、自社の運用に合った柔軟性のあるツールかどうかを確認しましょう。
2. 料金体系やコストは適正か
無料で使えるプランもあれば、月額費用がかかる有料プランもあります。
初期費用やユーザー数による課金体系なども異なるため、費用対効果を見ながら選ぶことが大切です。
3. セキュリティ対策がしっかりしているか
クラウドサービスは便利な一方、インターネット経由で使うため、情報漏えいや不正アクセス対策が万全かどうかも重要なポイントです。
ログイン認証、アクセス権限の設定、データの暗号化など、基本的なセキュリティ機能が備わっているかを確認しましょう。
クラウド型の備品管理サービスを導入することで、日々の持ち出し・返却管理がスムーズになり、ヒューマンエラーや工数の削減、そして情報の見える化が実現できます。
これまでエクセルで苦労していた企業ほど、その効果を強く実感できるでしょう。
備品の持ち出し管理の改善なら『備品管理クラウド』
多くの企業で利用されている貸出管理システムの一つに、アストロラボ株式会社が提供する『備品管理クラウド』があります。
『備品管理クラウド』は、クラウド上で管理するため、インターネット接続さえあればどこからでもアクセス可能で、リアルタイムでの情報共有が可能です。
『備品管理クラウド』の貸出管理機能
『備品管理クラウド』の主な貸出管理機能には以下があります。
クラウドベースのリアルタイム管理
インターネットを介してどこからでもアクセスでき、貸出状況の確認や管理が可能です。これにより、テレワークやリモートワークの環境下でも、スムーズな備品管理を行うことができます。
貸出・返却機能
借りたい備品を検索して貸出申請。スマホアプリから貸出申請ができるので、外出先やリモートワークの環境下でも簡単に備品の貸出申請を行うことができます。
カレンダー機能
カレンダーで借りたい備品の貸出状況が分かります。
期限管理機能
返却期限が近づくと自動でアラートが通知されるため、返却忘れが減少します。
QRコード貸出
スマホアプリで備品管理ラベルに印字されたQRコードを読み取ることで、簡単に貸出申請を行うことができます。
まとめて貸出機能
複数の備品の貸出申請をまとめて行うことができます。
承認返却フロー簡略化
承認返却フローを省略することができますので、借りたい備品をすぐに借りることができます。
カスタマイズ可能な権限管理
ユーザーごとに権限を設定することで、誤った情報の入力や不正な操作を防ぐことができます。担当者が複数いる場合でも、管理者が一元的にコントロールできるのが特長です。
『備品管理クラウド』は、こうした機能を通じて、貸出管理業務を効率化し、コスト削減と業務の最適化をサポートします。
『備品管理クラウド』に少しでも興味を持たれた場合は、下記よりお気軽にお問い合わせください。
まとめ
備品の持ち出し管理は、会社の資産を守り、業務効率を上げるために非常に重要な作業です。
紙やExcelだけでの管理は手間やミスが多く、情報共有が遅くなりがちです。
クラウドサービスを使えば、誰でも簡単に使えてリアルタイムで情報を管理でき、効率的かつ正確な備品管理が可能になります。
まずは簡単な管理表を作ってみて、徐々にクラウドへの移行を検討してみると良いでしょう。
自社の規模や用途に合った方法で、備品管理の仕組みを見直してみてください。
備品の持ち出し管理を効率化するなら『備品管理クラウド』
『備品管理クラウド』は備品の持ち出し管理業務を効率化し、コスト削減と業務の最適化をサポートします。
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