医療材料もIT機器も固定資産も一元管理!「病院ならではの物品管理」の課題解決&効率化のコツ
アストロラボ株式会社

医薬品や医療機器、IT機器など、円滑な医療サービス提供に欠かせない物品を多数保有している病院やクリニック。病院運営の効率化や患者さんの安心・安全確保のためには、当然、これらの物品を適切、かつ正確に管理する必要があります。
そこで今回は、病院・クリニックが抱える物品管理の課題とその解決法、効率化する方法について考えていきます。
病院・クリニックにおける「物品管理」とは?
病院やクリニックなどの医療機関での物品管理とは、実際に医療現場で使用される医薬品や医療機器、マスクやガーゼといった衛生用品から事務機器まで種類も数も膨大なすべての物品を管理することを指します。
そこには、一般企業や流通、小売店などでの物品管理とは異なる、以下のような「病院・クリニックならでは」の目的・役割があります。
1. 物品の「消費量」を確認し、把握する
医療機器や医療材料の使用は、患者さんへの適切な治療・処置、すなわち命に直結します。そのため、各備品がどこでどのくらい使用されているのかを管理し、それらの「消費量」を確認し、把握することも重要なポイント。必要なものが必要な人に、適切な量で使用されているかをしっかり確認するためにも、より迅速で正確な管理が求められます。
2. 物品の在庫を管理し、欠品や不足を防ぐ
正確な物品管理を運用することで、医薬品や医療機器がきちんと適切な量で確保されているか、在庫に不足がないかを常に確認しておくことも大切。使用期限やメンテンナンスの期限なども併せて管理することで、必要な時に在庫切れ、故障で治療に支障が出る……といったトラブルを防止することができます。
また、高額な医療機器などは複数の科をまたがって利用されることも多く、台帳でしっかり管理しているつもりでも、所在記録が抜け落ちてしまうことも。紛失や返却忘れを防ぐためにも、常に「誰がいつまで利用しているのか」を明確にしておく必要があります。
3. 固定資産を正しく把握し、財務&リスク管理を強化
一般的に、病院やクリニックなどの医療機関には、土地や建物、医療機器といった多数の「固定資産」を有しています。これらは高額、かつ使用期間が長期にわたるものも少なくないため、しっかりと所在や点数を管理し、定期的な実物実査を行うことが重要です。
固定資産の実態を正確に把握しておかないと、資産価値の過小評価・過大評価につながるだけでなく、医療機器や設備などの償却資産にも固定資産税は課せられますので、必要以上の税金を納めることにもなりかねません。
4. 購買内容を管理し、在庫の適正化&コスト削減を図る
購入した物品の内容や数量を確認し、その後の発注業務の効率化につなげることも重要な目的のひとつ。患者さんのさまざまな症例や状況に対応するため、医療機関においては、十分な物品の在庫量を確保することが求められます。しかし、やはり過剰な在庫を抱えることは、経営の面でマイナスの要因となります。
医療の質や患者さんの満足度を維持し、さらに経営状況を悪化させることのない、適正な在庫量を保つこと。そして必要以上の発注が行われているのを発見した際には、その数量を調整するなど「在庫の適正化」を図ることが重要です。
5. 医療請求などの「業務漏れ」を防止する
医療機関で管理する物品の中には、厚生労働省が定める特定保健医療材料など、保険請求が可能な物品もあります。それらの物品を使用した際には、診療報酬請求などの書類に、正しい情報を記載し、申請することになります。
そのため、診療報酬が請求できる物品にまつわる診療報酬請求の点数付けにミスはないか、書類の記入漏れがないかも合わせて確認しておくと安心です。
医療機関での「物品管理」が難しい……その要因とは?
ここまで病院での備品管理は患者さんへの医療提供、そして病院経営の両面で重要な役割を果たしていることをご説明しました。しかし、実際の現場では、多岐にわたる物品を適切に管理することへのさまざまな課題を抱えているのが現状です。ここでは、そんな各医療機関が抱える課題内容とその要因について考えていきます。
・在庫切れと過剰在庫の適切なバランスが難しい
さまざまな症例に対して迅速に、そして適切に対応するためには、医療品や医療材料の在庫切れは許されません。その一方で過剰な在庫は保管スペースの圧迫や使用期限切れによる破棄につながる恐れもあります。医療現場においては、その「適切なバランス」を維持することが難しく、担当者の経験則に頼った在庫管理を行っているところが少ないのが現状です。
・在庫状況の正確な把握が難しい
病院やクリニックで利用される物品は、種類も量も膨大であり、しかも毎日の診療・治療で大量の物品が消費されるため、各物品の正確な在庫数をリアルタイムに把握・確認することが難しいという側面があります。もちろん、物品記録台帳による管理を行っているところがほとんどですが、多忙な業務の中でどうしても記録漏れやミスが起こりやすく、在庫切れを起こさないよう「多めに発注しておこう」というどんぶり勘定の管理になりがちです。
・使用期限切れを発生させる恐れがある
医療機関での物品管理・保管業務においては、医療材料や医療機器の「使用期限」を厳密に管理することが求められます。しかし、多岐にわたるすべての物品の期限を把握し、管理するのはまさに至難の業。さらに近年は、災害用備品など長期保管が必要な物品の管理も加わり、物品管理担当者にかかる負担が一段と大きくなっています。
・複数の管理台帳の存在、紙ベース……アナログ管理が主流となっている
今も紙やExcelの管理台帳に手入力するというアナログな管理方法を採用している病院が多く、それがより物品管理を複雑で難しいものにしています。また、診療科ごと、医療材料や衛生用品や事務用品などの備品と、高額な医療機器や往診用の車両などの固定資産の管理表を別にして管理しているケースなどもあり、それぞれの情報が共有される機会も少ないため、管理が属人化しやすいという課題もあります。
・看護師への負荷が大きくなっている
小規模な病院やクリニックにおいては、物品管理業務を専任の担当者ではなく、看護師が担っているケースも珍しくありません。その場合、どうしても本来の業務である患者さんのケアと並行して管理業務を行うことになるため、負担が大きく、物品管理の質も患者さんへのケアの質も下げてしまう恐れがあります。
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物品管理の効率化・正確性向上のために検討したい3つのこと
では、こうした課題を解消し、効率的かつ正確性の高い物品管理を行うためには、どのような対策を取ればよいのでしょうか。ここでは現在、医療機関で取り入れられている3つの手法についてご説明します。
1. 物品管理のマニュアル・ルールを構築する
多くのスタッフが日常的にさまざまな物品を使用する病院・クリニックでは、物品の使用・管理に一定のルールを設け、周知することが重要です。
例えば……
・物品を使用する際には必ず管理表に名前と日付を記載する
・物品の持ち出しを許可する人を決め、必ず許可を得てから持ち出すことを徹底する
・「在庫が〇個以下になったら発注を依頼する」など、物品の発注点を決めておく
など、現場の状況に応じて統一の管理ルールを設定しておき、スタッフ全員がそのルールに沿って行動するようにすることで、物品の使用状況や流れが把握しやすくなります。その際、共通の管理表やシステムを活用するとより効果的です。
2. SPD(院内物流管理)業者・システムを利用する
「SPDシステム」とは、発注から納品、在庫管理、使用実績まで、物品管理の一連のプロセスを一元管理するシステムのこと。物品の使用状況などをリアルタイムに把握できるうえ、必要なタイミングで必要な物品が供給されるため、在庫切れなどの心配も不要に。また、適切な保険請求なども管理してくれるので、物品管理の大幅な負担軽減につながります。
運用は自院内で行うこともできますし、外部業者にすべて委託することもできます。ただし、どちらの選択をした場合でもシステムの導入にはまとまった額の初期費用が必要となります。また、自院で運用する場合はシステムを適切に運用するため、しっかりとしたスタッフへの教育が、外部委託で運用する場合は初期費用のほかに高額な委託料金が必要となり、その負担が大きなデメリットとなる可能性があります。
3. 物品管理システムを利用する
SPDの導入に興味はあるけれど、自院で専用スタッフを確保できるほど人員に余裕がない、外部委託で運用を任せられるほど高額な費用をかけられない……ならクラウドを利用して物品の在庫や使用状況をリアルタイムに把握し、管理することができる「物品管理システム」を活用するのも有効な手段です。物品の利用者や保管場所、持ち出し日なども簡単に一元管理でき、必要な時に必要なものをすぐに探し出すことができるようになるため、無駄の削減にもつながります。
物品管理システムの多くはQRコードやRFIDを活用した管理にも対応しています。それによってアプリやスキャナーで読み込むだけで貸出や返却の登録・手続きが可能になり、さらに物品情報を取得することもできるので、棚卸し業務の大幅な軽減にもつながります。
『備品管理クラウド』の活用で、物品の流れを見える化&業務効率UP!
アストロラボ株式会社が提供する『備品管理クラウド』を活用することで、院内で使用されるすべての物品をクラウド上で一元管理することが可能になります。医療材料や固定資産の管理、棚卸しを効率化するさまざまな機能が搭載されているので、物品管理業務にかかる時間と手間を大幅に軽減することができます!
ここからは備品管理クラウドの機能と導入メリットについてご紹介していきます。
・備品の持ち出しや返却の記録&確認が簡単に!
管理担当者が不在で、急を要する備品の持ち出しの手続きに時間がかかる、検査に必要な医療機器がどこの科でいつまで使用されるのかすぐに把握できない……そんなよくある「困った」も、備品管理クラウドを活用することでスッキリ解決できます。
備品を持ち出す、もしくは返却する際は、対象の備品に取り付けられたQRコードを専用スマホアプリで読み込み 、「貸出」「返却」のボタンを操作するだけ。簡単で時間も手間もかからないため、貸出や返却の申告漏れ、入力ミスのリスク低減にもつながります。また、返却期限が近づくと自動アラートで知らせてくれるので、返却漏れのリスクを低減すると同時に、管理担当者が返却を催促する手間も省けます。
・どこに何があるか「保管場所」がすぐにわかる!
医療機関では多種多様な備品がさまざまな部署で使用されているため、すべての物品の保管場所を把握することが難しく、「どこに何があるかわからない」という状態に陥りがち。必要なものが見つからず、スタッフ総出で探す……となれば、時間のロスにもつながります。
その点、備品管理クラウドは備品の情報と保管場所(使用場所)、さらに各備品の写真も紐づけて管理することができ、アイテム一覧ページにも一括表示されます。そのため、必要な時に必要な備品をスムーズに見つけることができます。また、誰が何を使っているのか、遊休品はいくつあるのかといった全体像もすぐに確認できるので、「必要なものが見つからないから、取り急ぎ購入しよう」といった無駄の防止にもつながります。
・備品と固定資産の区別、管理も一目瞭然
各物品を備品管理クラウドに登録する際は、スマホアプリでJANコードや製品ラベルを撮影するだけでOK。備品の名前やメーカー、型番などの情報が自動で入力されるので、入力ミスのリスクも低減できます。
また、高額な医療機器など、多くの資産を持つ医療機関にとっては、その管理も重要な任務。物品を登録する際に、それが「固定資産」なのか「備品」なのか、カテゴリー分けして登録することもできるようになっており、「固定資産だけ」のリストもすぐに作成可能。その後の固定資産の現物実査や決算業務の効率化・業務軽減にもつながります。
・使用期限、点検期日も一元管理できる
医療機関で扱う備品の中には、医療材料や医療機器など、その使用期限が定められているものや、定期的な点検が必要なものも多数含まれます。患者さんに直接使用する、命に関わる重要な役割を担う備品もあるだけに、当然、こうした「期限」もしっかりと管理することが求められます。
備品管理クラウドには、各備品の期限も合わせて登録することができ、その期限が近づくとアラートで知らせてくれる機能も搭載されています。それにより、期限切れによる無駄な破棄や、点検漏れで機器が使用できないといったトラブルも防止することも可能です。
『消耗品管理クラウド』を活用すれば、消耗品の在庫切れリスクの軽減も可能!
また、マスクやガーゼといった衛生用品や、事務用品などの在庫管理の効率化、発注漏れなどのリスクを軽減したい場合は、『消耗品管理クラウド』の導入・併用もお勧めです。
消耗品を補充する際は、保管棚や箱に取り付けられたQRコード をアプリで読み取り、補充する数を入力するだけ。また、必要な消耗品を持ち出す際にもQRコード を読み取って、持ち出した個数を入力するだけの簡単操作で「誰がどのくらいの量使用したのか」「残りはどのくらいあるのか」といった使用履歴や在庫数を、リアルタイムで管理・確認することができます。
また、「在庫が〇個以下になったら自動発注する」といった「発注点」を設定することができるので、「気づいたら在庫切れ!」といったトラブルも防止することも可能です。また、各消耗品の使用状況も履歴から確認できるようになっており、部署ごとの使用量の比較といったデータの「見える化」も可能。その結果、スタッフの意識が高まり、消耗品の無駄遣いが減る……といったメリットも期待できます。
『備品管理クラウド』『消耗品管理クラウド』に少しでも興味を持たれた場合は、下記よりお気軽にお問い合わせください。
・備品管理クラウド
・消耗品管理クラウド
まとめ
…いかがでしょうか。
医療機関において物品の管理は、患者さんの安全と医療の質を高める重要な要素となる業務です。医療材料や医療機器、院内の家具、IT機器といったさまざまな物品を効率的に管理すし、スタッフが本来の医療行為に専念できる環境を整えるためにも、『備品管理クラウド』の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
物品管理の効率化はもちろん、棚卸しや固定資産の現物実査など「重要なのはわかっているけれど、ちょっと複雑で面倒」な業務の軽減化にもつながるはずです。
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