貯蔵品の管理方法と棚卸し方法について
アストロラボ株式会社

会社には、日々の業務を円滑に進めるためのさまざまな物品が存在します。たとえば、ボールペンやコピー用紙、封筒、切手、収入印紙など——これらの「まだ使っていない備品」のことを、会計の世界では「貯蔵品」と呼びます。
「なんとなく保管しているけれど、どれだけあるのか正確にはわからない」「いつの間にか在庫が切れていて、急いで買い足した」──そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
こうした貯蔵品は、きちんと管理されていないと、無駄なコストがかかったり、経理処理にズレが生じたりと、思わぬトラブルの原因になります。特に総務部門では、社内全体の備品を管理する立場にあるため、その影響は小さくありません。
本コラムでは、貯蔵品の基本的な考え方から、管理のコツ、棚卸しの実施方法までを、できるだけわかりやすく解説します。難しい専門知識は不要です。今日からすぐに実践できる工夫も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
貯蔵品とは?
「貯蔵品」という言葉はあまり聞き慣れないかもしれませんが、業務で使用する「未使用の物品」のことを指します。
例えば、文房具や封筒、切手、収入印紙、備品の予備品などがそれにあたります。
これらはまだ使用されておらず、倉庫やキャビネットに保管されている状態のものです。
会計上では、これらの物品は「消耗品費」などの勘定科目で処理されますが、使用していないまま年度末を迎えると「貯蔵品」として資産に計上する必要があります。
こうした処理を行うには、普段からきちんと物品の管理をしておくことが求められるのです。
貯蔵品の具体例と種類
貯蔵品には以下のようなものがあります。
価値を持つ貯蔵品
・郵便切手、収入印紙
・商品券、クオカードなどの金券類
・交通系回数券
これらは現金同様に扱われることもあるため、特に厳重な管理が必要です。
紛失や盗難があった場合、会社としての信用問題にも関わります。
日常的な消耗品
・ボールペン、ノート、付箋
・プリンター用紙、封筒、ホチキスの針
・梱包資材(段ボール・テープなど)
これらは日々使うものであり、在庫の確認を怠ると「足りない」「多すぎる」といった無駄が生じがちです。部署ごとに種類も使用量も違うため、ルールを定めて管理することが大切です。
なぜ貯蔵品管理が重要なのか
総務部門として、貯蔵品の管理が重要な理由は次のとおりです。
経理処理の正確性を保つ
未使用品が多く残っているのに経費として処理してしまうと、帳簿にズレが生じます。
棚卸しをして、実際にどれだけ使用されているかを把握しないと、正しい会計処理ができません。
無駄な支出を防ぐ
物品がどこにどれだけあるのかを把握していないと、必要以上に発注してしまったり、逆に足りなくて急遽購入することになります。
管理がしっかりしていれば、こうした無駄を削減できます。
監査対応や内部統制の強化
監査法人や税務署による調査が入った場合、「どの物品が、どこに、いくつあるか」まで確認されることがあります。正確な台帳と在庫状況を整えておくことが、リスク管理の面でも有効です。
よくある失敗パターンとその原因
紙やExcelでの管理が煩雑に
多くの会社では、貯蔵品の管理にExcelや紙のチェックリストを使っていることが一般的です。
一見するとコストもかからず、導入しやすい方法ですが、実際には次のような課題が発生しがちです。
よくあるトラブル例
・誰がいつ更新したか分からない
⇒ 「このデータ、いつの情報?」「誰が変更したの?」と、履歴が追えず混乱。
・ファイルが複数存在し、どれが最新かわからない
⇒ “ 社内共有フォルダ ” に「備品管理表_最新版」「備品管理表_新しい」「備品管理表_〇〇さん修正」などが乱立。結局、どれを信用していいのか分からなくなってしまう。
・記録漏れや数字の入力ミスが多い
⇒ 手作業で入力するため、「ゼロをひとつ多く記載」「更新し忘れ」などのミスが頻発。
背景にある原因
・Excelや紙での運用は属人化しやすく、「特定の人しか把握していない」状況が生まれやすくなります。
・書式の違い、更新ルールの不統一などにより、データの正確性が維持しづらい点も問題です。
・入力・集計・共有など、地味に手間のかかる作業が多いため、更新が後回しにされやすいのも失敗の原因になります。
結果として…
・棚卸しの時に「台帳と実際の在庫数が合わない」という事態が起こりやすくなり、現場でバタバタすることになります。
・無駄な在庫の購入や、在庫切れによる業務停滞など、コスト・業務効率の両面で損失が出る可能性もあります。
システム導入が運用に合っていない
一方で、管理の煩雑さを解消するために、在庫管理システムやアプリを導入する企業もあります。
しかし、「導入したけれど使いこなせず、結局やめてしまった」という声も少なくありません。
よくあるトラブル例
・機能が多すぎて、どれを使えばいいかわからない
⇒ 高機能なシステムは、マスター登録、発注管理、分析など機能が豊富すぎて、かえって使い方が複雑になることがあります。
・貯蔵品に特化していない
⇒ 本来は製造業や物流業向けの在庫管理ツールを導入した結果、「部品番号」や「ロット管理」など、総務が使わない機能ばかりになってしまう。
・現場での運用が定着しない
⇒ 「覚えるのが面倒」「入力に時間がかかる」などの理由で現場に馴染まず、数か月後には使われなくなることも。
背景にある原因
・システム選定時に、「何のために導入するのか」「誰が使うのか」が明確になっていないケースが多く見受けられます。
・総務部門では、ITに詳しくない担当者も多いため、「操作の難しさ」が心理的なハードルになりやすいのです。
・また、導入後のフォロー(マニュアル整備・研修など)が不十分なまま運用開始してしまうと、現場はすぐに “ 従来のやり方 ” に戻ってしまいます。
結果として…
・導入にかけた費用や時間が無駄になり、経営層から「なぜ活用されていないのか」と問われるリスクもあります。
・現場の混乱や不信感を招き、次回の改善提案にも悪影響が出ることがあります。
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「ログの見える化」で無駄を予防
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* 部署・利用者・日時ごとの履歴が残るため、不明使用や紛失の早期発見につながります
* 過剰在庫や欠品を事前に察知でき、発注がスムーズになります
発注点を下回ると自動アラート・リスト化
* 発注点をあらかじめ設定でき、在庫がそれを下回ると自動で通知が届きます
* 発注リストを自動作成し、作業の抜け・漏れを防止します
在庫金額の可視化でコスト管理にも効果
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* 棚卸しの手間が減るだけでなく、コストを意識した管理がしやすくなります
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