備品の棚卸しの重要性と方法を解説
アストロラボ株式会社

備品の棚卸しは、企業活動を円滑に進めるために欠かせない業務のひとつです。とはいえ、「棚卸しって面倒」「やらなきゃいけないのはわかってるけど、後回しにしがち」という声も多く聞かれます。この記事では、備品棚卸しをスムーズに理解・実践いただけるよう、わかりやすくその重要性と具体的な進め方を解説していきます。
備品の棚卸しとは?
「棚卸し」という言葉は、主に商品の在庫管理などで聞いたことがあるかもしれません。しかし、棚卸しは物品や備品に対しても同じく重要な作業です。
「備品の棚卸し」とは、会社で所有している事務机や椅子、パソコン、プリンター、電話機などの備品が、実際にどれだけ存在していて、それがどんな状態なのかを確認・記録する業務のことです。
これらの備品は、日常業務を支える大切な「資産」です。しかし、いつの間にか使われなくなったり、壊れたまま放置されたり、最悪の場合は紛失したりすることも。だからこそ、定期的に備品の棚卸しを行うことが、会社にとって非常に大切なのです。
備品棚卸しの重要性
備品の棚卸しは、企業活動を円滑に進めるための“裏方”のような存在です。普段はあまり注目されませんが、実は会社のコスト管理や業務の効率化、さらに法令対応にも深く関わっています。この章では、備品棚卸しがなぜ重要なのかを、具体的なメリットとともに詳しく見ていきましょう。
資産の正確な把握ができる
企業には、大小さまざまな備品が存在します。パソコンやプリンター、デスクや椅子といった目立つものから、延長コードやモバイルルーターのような細かいものまで含めると、その数は数百から数千点に及ぶことも珍しくありません。
棚卸しを行うことで、以下のような点を正確に把握できます。
・何がどこにあるか(設置場所の確認)
・誰が使用しているか(使用者の特定)
・今どんな状態か(故障・劣化の有無など)
これらの情報が明確でないと、いざという時に「どこに何があるかわからない」「備品が足りないのか余っているのかわからない」といった混乱を招きかねません。
無駄な購入を防げる
備品棚卸しをしっかり行っていないと、次のような無駄が発生します。
「会議用プロジェクターが見つからないから新しく買ったのに、後から別の部署で使われていたことがわかった」
こうしたケースは珍しくありません。備品の数や場所を正確に把握できていれば、既にある備品をうまく使い回すことで、同じ物を重複して購入する必要がなくなります。
企業にとって経費削減は大きな課題です。備品管理の精度を上げることは、予算の適正化につながる具体的なアクションでもあります。
備品の適切な配置・再配置ができる
備品棚卸しは、会社内での備品の“配置バランス”を見直す良い機会でもあります。
例えば、次のような状況はよくあります。
・A部署:使われていないノートパソコンが3台保管されている
・B部署:新入社員が入ったがパソコンが不足している
このように、部署ごとに備品の余り・不足が偏っているケースは非常に多く見られます。棚卸しを行うことで、遊休備品(使われていない備品)を発見し、必要な部署へ回すといった再配置が可能になります。
結果として、備品の有効活用が進み、会社全体の運用効率もアップします。
税務・会計への正しい対応ができる
会社が保有している備品は「固定資産」として、税務署や会計上の管理対象になります。つまり、帳簿に載っている備品と実際に存在している備品が食い違っていると、税務調査などで指摘を受けるリスクが生まれるのです。
たとえば、次のような問題が発生することがあります。
・帳簿上は存在している高額機器が、実際には既に廃棄されていた
・台帳には未登録の備品が見つかった(購入後に記録漏れ)
こうしたズレを放置しておくと、以下のようなリスクが高まります。
・税務リスク:過剰申告や脱漏申告として、指摘やペナルティの対象に
・監査リスク:外部監査において内部統制の不備とされる可能性
定期的な棚卸しを行うことで、帳簿と実物のズレを是正し、正確な資産台帳を保つことができます。これは会社の“信用力”を支える大切な要素でもあります。
トラブル防止・セキュリティ強化にもつながる
備品の棚卸しは、「備品の不正利用や持ち出し」の抑止効果も持っています。特に、PCやスマートフォンなどの情報端末は、会社の機密データが入っていることも多いため、紛失や盗難が大きな問題になる可能性があります。
棚卸しで定期的に備品の場所や使用者を確認していれば、
・誰が、どの備品を、どこで使っているのか
・備品が適切な場所に保管されているか
・使用履歴や移動履歴はどうか
といった情報を常に把握しておけるため、問題の早期発見・対応につながります。
備品棚卸しは「守り」と「攻め」の両面で重要
備品棚卸しは、単なるチェック作業ではなく、会社の資産を守り、コストを削減し、業務効率を高めるという「守り」と「攻め」の両面に役立つ取り組みです。決して面倒なだけの作業ではなく、会社全体の利益に直結する、非常に意義のある業務であることを理解しておくことが大切です。
棚卸しの効率化なら『備品管理クラウド』
『備品管理クラウド』は、「棚卸はみんなで」をテーマに、チーム全体が協力して効率的に棚卸を行うことができる機能を提供しています。各メンバーは使用している備品を確認・更新することで、迅速で正確な棚卸しが実現され、棚卸が簡単に素早く行うことができます。
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棚卸しの方法
棚卸しには主に「実地棚卸」と「帳簿棚卸」の2つの方法があります。どちらも備品の管理を行ううえで重要な役割を果たしますが、内容や目的に違いがあります。ここでは、それぞれの特徴と使い分けのポイントについて詳しく解説します。
実地棚卸とは?
実地棚卸とは、実際に現場にある備品を「目で見て」「手で確認する」方法です。文字通り、現物を確認しながら、リストや管理台帳と照らし合わせて棚卸しを行います。
実地棚卸の手順(例)
1. 事前に備品管理台帳を準備する
2. 担当者が各部屋や部署を巡回し、備品の現物を確認
3. 台帳に記載された情報と現物を照合(管理番号・使用者・設置場所など)
4. 台帳と実物が一致しない場合は理由を調査
5. 不足や余剰、状態不良があれば記録し、後日対応を検討
実地棚卸のメリット
・実際に備品があることを「目視」で確認できるため、確実性が高い
・状態(破損・劣化など)も同時にチェックできる
・台帳とのズレを把握しやすく、不正防止にもつながる
実地棚卸のデメリット
・時間と手間がかかる(特に備品が多い会社では大変)
・各部署の協力が必要になる(担当者が同行する場合も多い)
・定期的に実施しないと、棚卸し情報が古くなる可能性がある
帳簿棚卸とは?
帳簿棚卸とは、実際の現場には行かず、管理台帳やシステム上のデータのみを使って棚卸しを行う方法です。物理的に確認を行わないため、比較的短時間で完了します。
帳簿棚卸の手順(例)
1. 台帳に記録されている備品情報をデータ上で確認
2. 使用期限や償却年数、異動履歴などをチェック
3. 異常値や不自然な変更履歴があれば確認・記録
4. 必要に応じて、現場への連絡・照会を行う
帳簿棚卸のメリット
・移動せずに実施できるため、作業時間が短い
・複数拠点にある備品も、リモートでチェック可能
・頻繁に実施できるため、日常的な管理に向いている
帳簿棚卸のデメリット
・現物の有無や状態がわからない(実際には存在しない可能性も)
・台帳の入力ミス・更新漏れがあると正しい情報が得られない
・実態とかけ離れた「机上の管理」になってしまう恐れがある
実地棚卸と帳簿棚卸の使い分け
比較項目 | 実地棚卸 | 帳簿棚卸 |
---|---|---|
精度 | 高い(現物確認あり) | 低め(台帳に依存) |
所要時間 | 長い(人手も必要) | 短い(PC作業で完結) |
実施頻度 | 年1~2回が一般的 | 月次・四半期ごとにも可能 |
向いている場面 | 全社的な資産棚卸/監査前 | 日常的な備品チェック/更新記録の見直し |
企業によっては、年1回の実地棚卸に加え、月1回の帳簿棚卸を併用するなど、目的やリソースに応じた使い分けを行っています。
どちらかではなく「両方」使うのが理想
実地棚卸と帳簿棚卸にはそれぞれの強みと弱みがあります。一方だけでは管理に偏りが出やすく、誤差や見落としのリスクも高くなります。理想的なのは、
・帳簿棚卸で日常的に管理精度を高める
・実地棚卸で年に1回は実物を確認する
という“ハイブリッド”な運用です。こうすることで、備品管理の正確性と効率性を両立させることができます。
棚卸しを怠ることによるリスクとは?
棚卸しは「時間がかかって面倒」「つい後回しにしがち」と思われがちですが、実は放置しておくと、企業にとってさまざまなリスクが積み重なっていくものです。一見、目に見えにくい問題も、積もり積もって大きな損失につながることがあります。
ここでは、棚卸しを怠ることで起こり得る代表的な4つのリスクについて詳しく解説します。
① 備品の紛失・盗難に気づかないまま放置してしまう
会社の備品は、社員一人ひとりの机上や会議室、保管庫など、さまざまな場所に存在します。定期的に棚卸しをしていないと、備品が紛失していても気づかないまま何ヶ月、何年も経ってしまうことがあります。
よくある事例:
・倉庫の奥に置かれていたノートパソコンが、いつの間にかなくなっていた
・会議後に戻されなかったプロジェクターが、どこかで所在不明に
・退職者が使用していた備品が回収されず、そのまま所在不明に
特にPC・スマートフォンなどの情報機器の紛失は、情報漏洩リスクに直結します。棚卸しをしないことで、これらのリスクに気づかないまま放置される可能性があるのです。
② 重複購入による無駄なコスト発生
棚卸しを行っていない企業では、「備品があるかどうか誰も把握していない」という状態に陥りがちです。その結果、本当は社内に存在していた備品を「ない」と勘違いして再購入してしまうことがあります。
実際に起こるケース:
・A部門で使っていなかったモニターが、B部門で「足りない」と言われ新品を購入
・書類保管用のキャビネットが既に別のフロアに余っていたのに、同じものを追加購入
こうした「もったいない買い物」が年に数回でも起こると、年間で数十万円~数百万円の無駄なコストになることも珍しくありません。棚卸しは、企業のコスト最適化を支える重要な作業です。
③ 業務の停滞・効率低下を招く
棚卸しを怠ると、備品の状態や在庫が不明なまま放置され、業務に支障をきたす恐れがあります。
たとえばこんな影響が:
・使おうと思った機器が故障していたが、誰も気づかず放置されていた
・必要な備品が足りず、業務が開始できずに社員が待機
・オンライン会議に使う備品が直前になって見つからず、会議が遅延
これらはすべて、「備品の現状が誰にも把握されていない」ことが原因で起こります。定期的な棚卸しをしていれば、こうしたトラブルは未然に防ぐことができたはずです。
④ 税務・監査対応での重大な指摘リスク
企業の備品、特に10万円以上の高額備品については、会計・税務上の固定資産として記録されています。棚卸しを怠ると、会計上の資産と実際の資産が食い違い、税務調査や外部監査で重大な指摘を受ける可能性があります。
起こり得るリスク:
・帳簿に記載されているはずの備品が、実際には存在していない
・廃棄済みの備品が台帳に残っており、資産額が水増しされている
・登録されていない備品が後から発見され、申告漏れを指摘される
こうした不整合は、「資産管理のずさんさ」や「内部統制の甘さ」とみなされ、企業の信頼性に傷がつく恐れもあります。悪質と判断されれば、過少申告加算税や延滞税が課せられるケースもあります。
棚卸しを怠ると「損失」になる
ここまで挙げたように、棚卸しを怠ることで発生するのは単なる業務ミスではなく、
・金銭的損失(重複購入・税金)
・業務機会の損失(備品不足による業務遅延)
・情報漏洩やセキュリティ事故のリスク
・社内外の信頼低下
といった、企業としての損失に直結する問題です。
逆に言えば、棚卸しをきちんと実施することは、「目には見えにくい損失」を防ぐ、非常に効果的な管理手段であるともいえます。
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備品棚卸しの基本的な流れ
棚卸しは、計画から報告までの各工程を丁寧に行うことで、備品管理の精度を高めるだけでなく、社内の信頼性向上にもつながります。このセクションでは、備品の棚卸しを円滑に実施するための具体的なステップを5段階に分けて解説します。
ステップ1:棚卸し計画の策定
棚卸しの成功には、事前準備が最重要です。特に以下の点を明確にし、関係者間で共通認識を持つことが必要です。
● 目的の明確化:
- 何のために棚卸しを行うのか?
例:年次資産管理のため/税務申告用の確認/社内統制強化 など
● 対象範囲の設定:
・全社的に実施するか、部署単位か、拠点別かを決定
・棚卸し対象を「全備品」「高額資産のみ」「電子機器のみ」などに絞るケースも可
● 実施スケジュールの作成:
・棚卸しの実施期間(例:○月○日〜○月○日)
・データ入力・差異分析・報告までの工程も逆算して計画
● 担当者の選定・役割分担:
・総務部門が統括し、各部署に実施責任者を設置
・IT機器は情報システム部門、医療機器は医療安全管理部などの連携も必要な場合あり
● 使用ツールの準備:
棚卸し用チェックリスト、バーコードリーダー、備品管理アプリ、スマートフォン・タブレットなど
ステップ2:現物確認の実施(実地棚卸)
実際に現場に出向き、台帳と照らし合わせながら備品の現物確認を行います。
● チェックのポイント:
・管理番号(ラベルが貼ってあるか)
・使用者名(担当部署や個人名)
・設置場所(登録された場所にあるか)
・備品の状態(破損・故障・劣化の有無)
● 補足記録が必要な場合:
・ラベルが剥がれている → その旨を記録/再発行依頼
・台帳と異なる場所にある → 現状の設置場所も記録
・使われていない備品 → 保管理由や処分希望のメモを添付
● 補助ツール活用例:
・スマホでQRコードを読み取って備品情報を即時表示
・タブレットで現場入力し、そのままクラウド管理システムに反映
ステップ3:記録と照合作業
現場で収集した情報を管理台帳(紙・Excel・クラウド)に反映し、既存データとの整合性を確認します。
● 記録項目の例:
・備品名・管理番号・メーカー・型番
・所有部署・設置場所・使用者
・状態・更新日・確認者・写真(必要に応じて)
● 照合作業のポイント:
・台帳にあるが現物がない: 紛失/廃棄漏れの可能性あり
・現物があるが台帳にない: 未登録・登録ミスの可能性あり
・状態が異なる: 故障や使用停止などの記録更新が必要
不一致があった場合は、必ず「差異理由(仮説)」をメモしておくと、次の工程がスムーズになります。
ステップ4:差異の分析と原因調査
記録・照合段階で判明した差異について、具体的な原因と改善策を検討します。
● 差異の主な原因と例:
差異の種類 | 想定される原因 | 対応例 |
---|---|---|
現物が見つからない | 紛失/盗難/持ち出し未報告/廃棄未処理 | 管理台帳を修正、再発防止策(定期確認・持出記録の徹底) |
台帳に登録なし | 新規購入後の登録漏れ/移管記録未反映 | 登録を補完、ルールの徹底 |
設置場所のズレ | 部署移動やレイアウト変更後に未更新 | 実態に合わせて台帳修正 |
状態の不一致 | 故障や経年劣化、用途変更 | 修理依頼/処分判断/用途変更申請など |
● 差異データのまとめ:
・差異の件数/金額/発生頻度を数値で把握する
・差異パターンを分類し、傾向分析を行う(部署別、備品種別など)
ステップ5:報告と是正措置の実施
最終的な結果を取りまとめ、関係部署へ報告します。必要に応じて運用ルールの見直しや改善策の実行につなげます。
● 報告書に含める内容:
・棚卸しの概要(目的・期間・対象)
・実施結果(備品数、差異数、不一致率)
・差異の要因と分析結果
・今後の改善案(例:棚卸し頻度の見直し、管理ツール導入など)
● 是正措置の例:
・紛失物の調査/廃棄届出の徹底
・台帳の一斉更新・入力ルールの統一
・管理番号ラベルの再発行
・備品持出ルールの厳格化
補足:業務負荷を減らす工夫
・バーコード・QRコードの活用: スマホで簡単読み取り・記録
・備品管理ツールの導入: Excelからの脱却でミスや重複作業を削減
・クラウド連携: 部署間でのリアルタイム情報共有が可能に
棚卸し作業におけるよくある課題
備品や物品の棚卸しを実際に行ってみると、スムーズにいかないことも多く、現場の負担が大きくなりがちです。ここでは、総務担当者がよく直面する棚卸し作業の課題とその背景、あわせて考えられる解決のヒントを紹介します。
① 備品情報が古く、現状と合っていない
よくある状況:
・台帳に記載されている場所に備品がない
・担当者が変更されたのに台帳が更新されていない
・処分したはずの備品が記録上は残っている
原因:
・日々の異動やレイアウト変更、備品の入れ替えなどが記録に反映されていない
・部署ごとの管理ルールが曖昧で、更新が属人化している
対策のヒント:
・月次や四半期ごとの「簡易棚卸し」でこまめに情報を見直す
・備品の移動や処分をした際は必ず報告する仕組みを整える(申請フォームなど)
② 現物確認に時間がかかり、業務を圧迫する
よくある状況:
・確認すべき備品が社内の広範囲に点在している
・台帳と現物の突合せに時間がかかる
・倉庫や書庫などが整理されておらず探すのに手間取る
原因:
・棚卸し対象の絞り込みが不十分
・担当者にとってどの備品が対象か分かりづらい
・管理番号ラベルが貼られていない、または読めない
対策のヒント:
・台帳に備品写真や保管場所情報を追加して視覚的にわかりやすく
・QRコードやバーコード管理を導入し、スマホで確認可能にする
・日常的に整理整頓・可視化されている状態を維持する
③ 担当者の負担が大きく、協力が得られにくい
よくある状況:
・棚卸しの準備・実施・報告すべてが総務部の数人に集中している
・現場(各部署)の担当者が「面倒だ」と後回しにする
・過去の棚卸しでミスがあり、やる気をなくしている
原因:
・作業内容の共有・指導が十分でない
・棚卸しの目的やメリットが現場に伝わっていない
対策のヒント:
・部署ごとに「棚卸しリーダー」を置いて分担体制を作る
・簡単なマニュアルやチェックリストを用意し、説明会などで周知する
・棚卸しの結果と効果(コスト削減・トラブル回避)を見える形でフィードバックする
④ 棚卸し結果のデータ管理にミスが起きやすい
よくある状況:
・記入ミスや転記ミスが多発し、あとから修正が大変
・複数人で作業しているうちにデータが重複・混乱する
・台帳の形式が部署ごとにバラバラで統一感がない
原因:
・手作業・紙ベースでの記録が多く、ミスが起きやすい
・共通フォーマットがなく、自由記入になっている
対策のヒント:
・Excelなどのデジタル台帳は、入力規則やリストを設定して統一
・クラウド型の備品管理システムを導入し、リアルタイムで一元管理
・「記録者名」や「更新日」を必ず記入し、履歴を残すようにする
⑤ 差異が出たときの対処方法が定まっていない
よくある状況:
・台帳にない備品が見つかるが、どう処理すべきか迷う
・備品が壊れていたが、記録上は「使用中」になっている
・不要な備品が見つかったが、捨ててよいのか判断に困る
原因:
・差異発見時のルールやフローが決まっていない
・処分・修理・再登録の判断権限があいまい
対策のヒント:
・差異が出た際の対応フロー(例:調査 → 報告 → 処理)を明文化しておく
・廃棄や再登録には、所定の申請ルートを設ける
・状態に応じた処理例(修理・廃棄・社内譲渡など)をガイド化しておく
棚卸し作業には、思っている以上に実務的な課題や細かい悩みがつきものです。これらの問題をひとつずつ解消していくことが、結果的に棚卸し作業の効率化や備品管理の精度向上につながります。
一度棚卸しを「業務改善のきっかけ」として見直すことで、日常の業務もスムーズになり、現場との協力体制も築きやすくなります。
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棚卸しを効率化するポイント
備品・物品の棚卸しは、どうしても「手間がかかる」「面倒」という印象を持たれがちですが、ちょっとした工夫や準備の積み重ねによって、業務負荷を大幅に軽減することができます。ここでは、棚卸しをよりスムーズかつ正確に行うための効率化のポイントを紹介します。
① 定期的に実施して、情報を「古くしない」
概要:
棚卸しは一度やって終わりではなく、定期的に実施することで“軽いメンテナンス”のような感覚で行えるようになります。
具体策:
・年1回の定期棚卸しに加え、四半期ごとの簡易棚卸しを取り入れる
・異動や部署移転、備品購入・廃棄などの「変化が起きたタイミング」で随時更新する
・年度末だけに集中すると負荷が偏るため、年間スケジュールに分散して実施
メリット:
・差異が起きにくくなる
・棚卸し作業そのものの負担が軽くなる
・記録が最新の状態に保たれるため、社内管理の信頼性が高まる
② 各部門と連携し、分担体制をつくる
概要:
棚卸しは総務部門だけが行うものではなく、備品を実際に使用・保管している各部署の協力が欠かせません。
具体策:
・各部署に「棚卸し担当者(リーダー)」を設置し、作業を分担
・総務部は台帳整備・進行管理に集中し、現場確認は現場に任せる
・作業手順やチェックリストをマニュアル化して配布
・定期的な説明会や作業前ブリーフィングで認識のズレを防止
メリット:
・作業の属人化を防ぎ、全社的に協力体制が生まれる
・備品の所在・状態に詳しい現場担当者のほうが、確認ミスが少なくなる
・現場にも「自分たちの持ち物は自分たちで管理する」という意識が芽生える
③ 管理台帳・チェックリストの事前整備を徹底
概要:
棚卸し前に台帳が最新の情報になっていなければ、現場の混乱や誤認、作業のやり直しが起きてしまいます。
具体策:
・管理番号・設置場所・使用者・備品の状態を事前に再確認して更新
・棚卸し用の印刷フォーマットを整備し、手書きや追記を減らす
・備品の写真をあらかじめ添付しておくと、現場での識別が容易に
・ラベルが破損・紛失している備品には、事前に再発行対応
メリット:
・棚卸し当日の作業スピードが格段に向上
・不明点が少なくなり、差異の発生も抑えられる
・台帳の精度向上が、会社全体の資産管理の質にも直結
④ ITツールの活用で「手作業」から脱却
概要:
ITツールを活用すれば、作業スピード・精度が大幅に向上します。棚卸しの効率化には欠かせない手段です。
具体策:
・バーコード/QRコードラベルを備品に貼付し、スマホやハンディ端末で読み取り
・備品管理システム(クラウド型)を導入し、複数人でリアルタイムに台帳更新
・モバイル端末で写真や備品状態も一緒に記録できるように設定
・Excelなどで管理する場合も、入力規則やマクロ機能でミスを防止
メリット:
・棚卸し記録が自動的にデジタル台帳へ反映される
・手書きや転記によるヒューマンエラーを削減
・履歴管理や差異の分析もスムーズに行える
⑤ 棚卸し後のフィードバックと改善を忘れずに
概要:
棚卸しは「やって終わり」ではなく、その結果を分析・共有し、次回に活かすことで効率化の好循環が生まれます。
具体策:
・実施後に簡単な振り返りミーティングを行い、現場の意見を収集
・差異の発生原因や作業中のトラブルを記録しておく
・次回の棚卸しに向けた改善アクションリストを作成
・備品情報の修正点を各部署に報告し、協力体制を強化
メリット:
・回を重ねるごとに棚卸しの精度とスピードが向上
・チーム全体で改善意識が醸成される
・定期的な改善により、内部監査や税務対応にも強くなる
効率化の鍵は「準備」「協力」「仕組み化」
棚卸しを効率的に行うためには、単なる作業手順だけでなく、社内全体の連携と管理体制の整備が重要です。少しずつ改善を積み重ね、継続的に見直していくことで、備品管理の質を底上げすることができます。
今後はITツールやクラウド管理の導入も視野に入れながら、自社に合った効率化の仕組みを構築していきましょう。
棚卸しの効率化なら『備品管理クラウド』
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備品管理クラウドの棚卸の流れ
1. 棚卸計画
棚卸管理者が、どの場所でどのアイテムの棚卸を、誰が担当するのかを計画します。
2. 棚卸の依頼
棚卸計画が作成されると、棚卸担当宛てに棚卸実施依頼のメールが届きます。
3. 棚卸の実施・報告
棚卸担当者は、棚卸実施依頼のメールに記載されているリンクをクリックして、備品の状態を報告。
備品に問題なければ、ボタン一つをクリックするだけで簡単に棚卸が完了します。
4. 棚卸の進捗確認
棚卸の進捗は管理画面から円グラフで簡単に確認することができます。
スマホアプリで棚卸しが可能
備品管理クラウドはスマホアプリを使って棚卸しが可能ですので、スマホ一つで棚卸しを完了することができます。
QRコードやRFIDを使用した棚卸しにも対応
備品管理クラウドはQRコードやRFIDを使用した棚卸しにも対応しています。
QRコード
備品に貼り付けられている備品管理ラベルのQRコードを撮影するだけで棚卸しが完了します。
RFID
備品に貼り付けられているRFIDのタグをリーダーでスキャンするだけで棚卸しが完了します。
このように、『備品管理クラウド』は、棚卸機能を通じて棚卸業務の効率化をサポートします。
『備品管理クラウド』に少しでも興味を持たれた場合は、下記よりお気軽にお問い合わせください。
今すぐ始める一歩を
備品棚卸しは、企業にとって小さな業務に見えるかもしれませんが、その効果と影響は非常に大きなものです。
まずは小さなスケールで始めてみて、台帳の整備や現場とのコミュニケーション、ツールの導入などを段階的に進めていきましょう。社内に「棚卸し文化」が根付けば、企業の資産は確実に守られ、無駄な支出も減っていきます。
備品の棚卸しは、経費削減だけでなく、業務の効率化・リスク管理・企業信頼の向上にもつながる、非常に有意義な取り組みです。ぜひこの機会に、備品棚卸しを社内に定着させる一歩を踏み出してください。
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