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備品管理コラム

世界でも有数の高齢社会となっている日本において、高齢者が安心して快適な生活が送れるよう、幅広いサービスを提供する介護施設へのニーズはますます高まっています。

今後も予想される利用者の増加、進みつつある介護現場のICT化 、2024年4月からのBCP対策義務化などにより、近年、各介護施設が保有する備品や消耗品の数や種類は増加の一途を続けています。これまでの物品管理の手法では「追いつかない」「管理しきれない」状態になっている施設も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、各介護施設が抱える現状・課題から、どうすればより正確で効率的な物品管理が可能になるのかを考えていきたいと思います。

慢性的な人材不足による課題が山積!

急激に進む高齢化によって介護需要が増加する一方で、今、日本では慢性的は介護人材不足が続いています。厚生労働省によると、いわゆる「団塊の世代」が75歳以上になる2025年は、必要となる介護職員が約243万人となる一方で、実際の働き手は約220万人、実に20万人以上の介護職員が不足しているとしています※1。
※1 出展:「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(厚生労働省)

もちろんすべての施設に当てはまるというわけではありませんが、物品管理においても多くの施設において人材不足に伴う下記のような課題が指摘されています。

1.在庫管理や発注などの処理が全く追いついていない

介護施設で管理される備品や消耗品は、イスやテーブルといった家具から、テレビやエアコンなどの家電製品、おむつやマスク、アルコール消毒液、そして非常時用の備蓄品まで多岐に渡ります。また、ひとことで「おむつ」といってもサイズや性別、用途に合わせて用意する必要があるため、管理する物品の数も種類も膨大になりがちです。

しかし、人材不足により、こうした物品がどこでどう使われ、在庫がいくつ残っているのかといった状況をしっかりと管理する時間が取れないという施設も。そのため「欠品に気づいた人が発注する」「担当者ひとりにすべての管理を丸投げ」といった状態になりがちです。

2.備品の使用者、貸出・返却状況の「全体像」を把握している人がいない

「備品や消耗品は、運営する法人がまとめて発注・管理している」という介護施設も多いと思います。しかし、基本、法人内で管理しているのは「何の備品や消耗品をどこの施設にどのくらいの量を納品したか」というところまで。納品後、実際に「(施設内で)誰がどのように備品や消耗品を使っているか」といった管理は、各施設の担当者に管理を委ねることになります。

しかし日々の業務に追われる中では、そうした細かな管理はどうしても抜けたり、後まわしにされたりしてしまうもの。その結果、所有する備品や消耗品の使用状況の全体像を把握している人がいない状態となり、「足りない・手元にないからとりあえず追加発注しよう」といった、無駄の多い、いわゆるどんぶり勘定の管理に陥ってしまうことも少なくありません。

3.必要な備品や消耗品がすぐに見つからない

発注・納品された備品や消耗品を「決められたスペースに整理して格納する」ところまではできている施設が多かったとしても、どのダンボールに入ったマスクや医療用手袋が一番古く、先に使うべきかまで管理できているでしょうか。それができておらず「倉庫の奥に使用期限切れのおむつが…」となれば、その分の無駄が発生することになります。

また、忙しさに「とりあえず(備品を)倉庫に入れておいて!」が続いてしまえば、何がどこに置いてあるのかがわからなくなり、必要な時にあるはずの備品や消耗品が見つからないといったトラブルが多発する可能性もあります。

4.BCP対策義務化に伴い、管理する物品数・種類がさらに増加!

2024年4月、すべての介護事業者に対して「BCP策定」が義務化されました。これは自然災害や感染症流行といった万が一の非常時においても事業を中断させない、もしくは中断したとしても速やかに復旧し、サービスを提供し続けるための業務継続計画の策定を求めるもので、これを遂行しない場合、介護報酬減算の対象リスクがあります。

それに伴い、各施設において「行政の支援が始まるまで(被災後3日が目安)、自力で業務を続けられるよう、必要な備蓄をしておくこと」が義務付けられ、水や食料品、簡易トイレ、衛生用品といった備蓄品を用意し、適切に管理することが求められています。今後はこれらの備蓄品の使用期限や賞味期限の管理なども必要になってきます。

介護施設の物品管理の効率化を図るなら……物品管理システムの導入を!

ではこうした課題を抱える中で、各介護施設では、実際にどのような形で物品管理を行っているのでしょうか。

現在、主流となっているのは紙やExcelを使った管理方法です。紙やExcelで備品の管理台帳を作成し、その都度、記録をつけていくという管理方法は、ほとんどコストがかからず、「すぐに」「誰にでも」始められるというメリットがありますが、一方で下記のようなデメリットや課題も指摘されています。

紙による備品管理の場合

・人の手で記入、管理するためミスや抜けが発生しやすい。
 特に複数人で管理を行うとリスクがより高まるため、管理が属人化しやすい。
・台帳の破損や紛失リスクが高い。
・管理する備品が多いと、台帳のページ数が多くなるため、記録する際に該当の備品を探すだけでも時間がかかり、管理が難しい。

Excelでの備品管理の場合

・人の手で入力、管理するためミスが発生しやすい。
・管理する備品が多くなるとデータが大きくなるため、動作が重くなり効率が低下する。
・複数の担当者で同時にアクセスできないため、リアルタイムな編集や閲覧ができない。
・ファイルが簡単にコピーできるため、改ざんやデータ流失の恐れがある。
・操作を誤った場合、台帳データそのものが消失するリスクがある。

先にもご説明したとおり、一般的に介護施設では、家具や家電製品、マスクやおむつなど、膨大な量と種類の物品の管理が必要となります。また、今後はBCP策定による備蓄品管理業務も加わるため、紙やExcelによる管理を続けることがスタッフの業務負担の増大や、効率的な物品管理を妨げる要因となる可能性もあります。

そこで検討をお勧めしたいのが「物品管理システム」の導入です。

「物品管理システム」とは、所有する備品や消耗品などの情報を一元管理できるシステムであり、これを活用することで備品や消耗品がどこにあり、誰が使用しているのかといった情報がリアルタイムに把握できるようになります。

特に近年は、自社のPCにソフトウェアをインストールしたり、独自にサーバーを構築したりすることなく、インターネットを経由して情報やデータの管理・共有ができる「クラウド型物品管理システム」のサービスが広く普及。物品の在庫や入出庫、棚卸しなどの効率化を図ることができるだけでなく、物品の流れや使用状況をスタッフ間で共有することもできるので、物品管理を属人化させることもありません。

クラウド型物品管理システムを導入するメリットとは?

1.備品などの情報をリアルタイムに確認することができる

種類も量も多い介護施設の備品、消耗品を管理するためには、何が、どこに、どのくらいの量保管されているのかという情報が正しく把握できているかどうかが最初の鍵となります。

物品管理システムを活用すれば、物品管理の担当者はもちろん、スタッフ全員が、「いつから」「何が」「どこに」「どのくらいの量」保管されているのかといった基本的な情報はもちろん、「誰が何の備品をいつから使用しているのか」といった履歴なども確認できるようになります。それにより、必要な備品が必要な時にすぐ補充でき、業務の効率化にもつながります。

また、各物品の外観や付属品などの写真を添付して一緒に管理できるシステムを使えば、対象の物品をスムーズに探しやすくなるので、さらに効率化を図ることができます。

2.在庫管理の人的ミスを防ぎ、非効率化を解消できる

常に入居者への対応やケアが優先される介護施設では、その忙しさから「物品の保管スペースの整理整頓ができない」「現状の在庫数を確認している暇がない」といったことも起こりがち。それにより、本来であれば許されないケアアイテムや衛生用品の在庫切れといったトラブルが発生することも考えられます。

しかし、物品管理システムを活用すれば、物品にバーコードや製品の情報が書き込まれたRFIDタグを貼り付け、在庫の入出庫を自動的に記録することも可能になります。それにより「在庫数の変動を記録し忘れた」といった管理ミスを防止できるだけでなく、正確な在庫数をリアルタイムに確認し、最適なタイミングで発注をスムーズに行うこともできます。

3.使用期限や賞味期限、点検期日を管理し、無駄を防ぐ!

おむつやマスクといった衛生用品、服薬を補助する補助食品など、介護施設で保管される物品には、使用期限や賞味期限があるものが少なくありません。また、通信機器や医療機器、介護福祉機器など、定期点検が必要なものもあります。そうしたさまざまな「期限」の管理ができてきていない場合、物品を大量に廃棄することになる、安全・安心なサービスが提供できないといった、思わぬトラブルが発生する恐れもあります。 物品在庫システムの多くは、在庫や入出庫の状況だけでなく、こうしたさまざまな「期限」を管理し、該当の期日が近づいたことを教えてくれるアラート機能も搭載しています。これらの機能を活用すれば、無駄な廃棄を防ぐことはもちろん、期限切れ・点検漏れの機器や食品を使用・提供してしまうといった事故の防止にもつながります。

『備品管理クラウド』の活用で効率的&スムーズな物品管理を!

アストロラボ株式会社が提供する『備品管理クラウド』や『消耗品管理クラウド』には、種類も量も多岐にわたる介護施設の物品管理に役立つさまざまな機能が搭載されており、忙しい介護施設の方々の業務の効率化、トラブル防止に貢献します。

ぜひ、下記のような日々の「困った…」「不便…」の解消にお役立てください!

・各施設での備品管理をリアルタイムで確認&管理したい!

介護施設で管理・使用する備品の発注や管理は、運営母体である法人が一括して行っているというケースも多いと思います。しかし、法人(運営母体)と施設が違う場所にある、複数の施設を運営している場合、物品納品後の保管や管理は基本的に各施設の担当者に委ねることになり、法人側で各施設での使用・管理状況を把握するのは難しいのが現状です。

『備品管理クラウド』は、各物品をシステムに登録する際に、どこで誰が使うのかといった細かな情報も一緒に入力できるので、離れた場所・複数拠点で使用される物品も一元管理することが可能です。また、各施設での物品の流れも一つのシステムの中でリアルタイムに確認できるので、在庫切れや無駄な発注の防止にもつながります。

・スマホにタブレット…通信機器の管理を一元化したい!

介護施設では緊急時などに迅速に連絡が取れるよう、スタッフ一人ひとりにスマホやタブレットなどのさまざまな通信機器を貸与していることがほとんどです。しかしこうした機器は、同じメーカー・機種をまとめて購入・貸与することが多く、誰がどの機器を使っているのかを管理するには各機器に「管理番号」を割り振り、使用者と紐づけするしかありません 。また、スタッフの補充や入退職による使用者の変更、各製品の保証期間や保守・点検の期日など、すべてを細かく管理するにはかなりの手間を要します。

『備品管理クラウド』は、こうした通信機器もJANコードや製品ラベルをスマホアプリで読み取るだけで簡単に登録でき 、付属品の有無や製品の写真も添えて管理できます。管理番号 と使用者の紐づけはもちろん、使用者の変更、新たなスタッフに貸与するという場合も、アプリ内で遊休品の確認や、使用者の変更手続きなどもできます。

また、備品の状態(使用中・遊休・故障など)や使用者、保管場所など、施設内の備品が「見える化」することで無駄な追加購入を防ぐことができますし、定期的な点検スケジュールを登録しておけば、点検日が近づくと通知が来るので、点検漏れによる故障や不具合の発生といったトラブル防止にも活用することができます 。

・施設の備品?入居者様の持参品?区別や管理が難しい!

入居者様からのご希望があった際に対応できるよう、車いすや杖、歩行補助具などを用意しているという施設も多いと思います。しかしこうした「常に使用しているわけではない備品」は、置き場所がわからなくなる、貸出・返却の管理抜け、入居者様の持参品と混在してしまうといったトラブルが起こりがちです。

『備品管理クラウド』はそれぞれの備品を写真付きでシステムに登録できるうえ、その保管場所の情報も一緒に入力できるので「使おうと思ったらどこにあるかわからない!」といったトラブルを防ぐこともできます。また、貸出や返却の操作もボタン一つで完結できるうえ、管理表の写真で備品の外観もすぐに確認できるので、万が一、入居者様の持参品と混在してしまった時にも安心です。

・物品管理システム を利用したいけれど……ITに詳しいスタッフがいない

物品管理を効率化するため、システムの導入は検討したいけれど、各施設にITに強いスタッフがいないため、物品の登録や管理入力などができないのではないか……という不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

その点も『備品管理クラウド』なら安心。備品の登録はJANコードや製品ラベルをスマホアプリで読み取るだけ 。貸出や返却の申請もアプリのボタン一つで完結できるので、普段、スマホの通話アプリなどを利用している方なら、すぐに慣れてスムーズに使っていただけます。また、「今はExcelの台帳で備品を管理している」という場合は、そのデータ移行の代行も可能です。導入時には、その活用法などをご説明するオンボーディングなども行っていますので、安心して管理をスタートしていただけます。

・おむつやマスク、医療用手袋…消耗品もしっかり管理したい!

介護施設では備品だけでなく、おむつやマスク、ガーゼや包帯といった多数の消耗品の在庫も管理されていると思います。またこうした消耗品の多くは、入居者様のケアに必要不可欠なものであり、万が一「在庫切れ」が起これば、日々の業務に支障が出る恐れもあります。

その場合は、消耗品の管理に特化した『消耗品管理クラウド』の活用を。消耗品を使うときはQRコードをスマホで読み取って、持っていくアイテムに数字を入力するだけで在庫数をリアルタイムに管理。在庫が少なくなると通知がくるので、欠品で慌てる心配なし。誰がどれだけ使用したのか履歴から確認できるので使いすぎの防止にもつながります。『備品管理クラウド』と合わせて利用することで、施設内の物品管理の効率化・正確化を図ることができます。

いかがでしょうか。

システムへの自動入力や、貸出や返却、各種「期限」の管理など、介護の現場でもすぐに活用できる機能を備えた『備品管理クラウド』『消耗品管理クラウド』を活用することで、日々の忙しさによってどうしても後まわしにされがちだった業務の軽減化・効率化を図ることも可能になります。

少しでも気になる方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。


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